めぐさんより:恐山アンナ、「恐山ル・ヴォワール」を歌ってみたの林原的真相!
2011年6月。武井先生から、「アドレス変えました」だけのメールが届いた。
奇しくも、ブギーナイトの1000回突破記念のイベントが中野で開催される直前の出来事。
そんな偶然がうれしくて、
「当日、オーバーソウルとか歌っちゃうんだけど、見に来ませんか?」と、誘ってみた。
「なんとかして行きたい」の返信。

んで
なんとかして来てくれた。見るからに、凄く忙しそうだった。
楽屋にて、「あの、いろいろ、この先も、まだ、なんともなんですが、頑張ります。いろいろ、また、うん、ああ、その、まあ」
と汗々、まだ言えないなにかを伝えてくれようと、アフアフしていた。
「ああ、いいですよ、うん、なんか、時が来たらで…」

今思えば【ジャンプ改】の復活連載の事だったんだなあああ…と。
会場で歌った、オーバーソウルとノーザンライツはしっかり聞いて行ってくれた。

んで
後日、ニコニコ動画のメルアドとともに(一度見てみてくださいと )
「シャーマン10周年を記念して、「恐山ル・ヴォワール」を歌ってくれないかなあ?ファンの人達が喜ぶと思うのだけれど…」と、依頼メール。

二つ返事で、「うん、いいよ、やるやる」
でも、大人の手続きとか、何すればいいかわかんないから、キングさんとジャンプ改さんで話してもらった。

作曲してる人に連絡をとったらしい
レコーディングスタジオを取ったらしい
エンジニアをそろえたらしい

んで
私はスタジオに行って歌った。

一度歌っただけで涙が溢れそうになった。
色々こみ上げた。葉のことや、マタムネのことや、当時の自分や、もういろいろ。
歌いながら、後半は涙声にすらなりかけた。
一度ブースを出て聞いてみた。
「凄くいいじゃん!!涙声ぐっとくるなあ」なんて、自画自賛的に思っていたら、速攻、私の脳の中で、アンナがにらんで来た。
「おまえの涙は安い。たやすく他人に涙を見せるな、伝えるな。この詩(うた)の中では、悲しみはしまいこめ。そして存分に悲しみながらも、なお泣くな」
と怒られた。

「がーーーん。安いって…。すんません女将…。久しぶりだったもんで」
以上、すべて脳内(心)での出来事。

またブースに入って歌った。
雪の景色
ロウソク
大鬼
マタムネ
ばあちゃん
紅白
葉、葉、葉…。
アンナの目に映ったものが入り込んできて、ボーっとそれを眺めながら、
存分に悲しみながらも、うっすらと希望すら感じながら歌った。
ああ、久々のトリップ。まさにオーバーソウル。

「シャーマンファンの心に染みてさえ、してくれたらそれでいい」

そんなことを武井さんに伝えた。

私のすべき事はそこまで。そっから先は、知らぬ、存ぜぬと思っていたら。
キングさんから、ニコ動が騒がしいと言われた。

なんじゃろか…と慣れない手つきで覗いてみた。
なんか、武井先生のイラストと私(アンナ)の歌声の上を
ぶあああああああああっと字が左へと流れてた。
早くてよく読めない!と思ったら
横に感想がいっぱい書いてあった。



うれしかったけど、それより、なんか、びっくりした。びびった。

「もう誰でもいい、うたってくれてありがとう」
とかあった。
凄くうれしかった。
私の名前やキャリアじゃなくて、ちゃんと純粋に歌声が届いた気がした。

でも
本人か?本人じゃないのか?って内容が多かった。

「高音の、伸びがいまいち、本人じゃないだろ」とか…
「林原は歌唱力はいまいちだが演技力でカバーしてる」とか…
うるせえええええええ!
なんだおめええ!
ちくしょう!出てこい!とか、思って笑った。

さらに
「めぐさんはパソコン弱いから(動画投稿が)無理だと思う」
(はい、その通り、よくよくわかってるねえ。愛だねえ。でも私の周りには出来る大人がいるんだよん)とか、

一人、画面の前で一喜一憂して、ちょっと疲れて、そして思った。

「キャラクター」の落としていった心は、どんなに時がたっても色あせることはない。
そして、一人一人の心に、しっかりと、それぞれの形で足跡を残す。

私はこの歌を通じて、久しぶりに生の?アンナに会えた気がする。
アンナの心を通じて、葉にもマタムネにも会えた。
とにかく幸せだった。

そして、色んな意見や、思いが、ぶあああああああああああああっと
横流れの字で流れていくけど、ここに集っている人は、みんな、シャーマンキングが好きなんだな、と思ったら、胸が熱くなった。
笑顔のまん太が見えた。ふんばり温泉のみんなにも会いたくなった。

本人じゃないと書き込んだ人。どうか恥じることのなきように。
本人だと書き込んだ人。どうか責める事をせぬように。
どちらも【愛】なのだからね。

シャーマンキング   ありがとう。


以下余談
ぼんやり、葉のことを考えていたら、5年ぶりくらいに、葉役の【佐藤ゆうこ】から
メールが来た。携帯見て、本当に飛び上がった。なぜこのタイミング?
なんと、ご出産だそうで(本人承諾済み、自分のホームページにも乗せてるぞ)、返信メールじゃ、たりなくて、即効電話した。
「恐山ル・ヴォワール」を歌ったことを伝えると
「ええええええええ?えええ?」と挙動不審に驚いていた。相変わらずだった。
そして、あれこれ、本当に久しぶりにいっぱい話した。
偶然とはいえ、これまた幸せな時間をもらった気がする。

シャーマンキング  ありがとう(ってこれは違うか?)


2011年11月某日 林原めぐみ


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