KING AMUSEMENT CREATIVE

 
 
南 竜介役・上野裕馬
――今回、アニメーションのアフレコは初めてということですが、いかがですか?
上野 「最初は緊張して、もう口の中パサパサで、知恵熱はでるし(笑)。エライ目に遭いました。ですけど先輩、ベテランの方々からいろいろ教えて貰って、今では皆仲良く、BECKのメンバーとも仲良く、やらせてもらってます」
――英語と日本語で、画にセリフを合わせるとき、何か違いはあります?
上野 「まずアニメを作ってらっしゃる方々が、英語に口を合わせてくれてるとは限らないんで、そういった面での難しさはあります。ネイティブな、向こうの人のニュアンスでないような感じのところを、自分流に、口の動きに合わせながら直したりとか、そういうのは難しいけど、その一方ですごく面白かったりしますね」
――演じられている竜介は、16歳なんですけど、上野さん自身、16歳はどんな暮らしを?
上野 「16歳の頃の思い出……学校ですね。当時はアメリカの、寮制の厳しい学校にいたんで、勉強とか、そういう思い出しかない……ってことにしときます(笑)。アメリカに行ったのは15歳の頃からですけど、その前から真帆と同じように、日本にあるアメリカンスクールに行ってました」
――竜介というキャラ、人物について、どんな印象を受けましたか?
上野 「正直な人間だと思いますね。普通、僕を含めて一般の人っていうのは、自分がこう言ったら相手はどう思うだろうとかっていう、そういうものに従って喋ったり、行動したりするんですけど、竜介はやっぱり自分の思ったことや自分の感じたものを、そのまま声に出したり行動したりするじゃないですか。すごい正直な性格だけど、一般的には受け入れられない人なのかな……と感じますね」
――共感できる部分はあります?
上野 「いっぱいありますね。何か、“自分は自分でしかない”みたいなのがあると思うんですよ。僕もそういうところ、あると思うんですけど。ミュージシャンだから誰々を目指すっていうよりも、俺は俺だから、俺がやれることを俺のMAXの力でやる、みたいな。多分、俺もそうなんで、そういうところは共感しますね」
――なるほど。竜介だけじゃなく、BECKの他のメンバーについても印象を伺っていきたいと思います。まず、コユキから。
上野 「コユキって、最初は特に特徴のないキャラじゃないですか。歌が上手いってことで、どんどん話が進むにつれ注目されていくんですけど、僕なんかは結構目立たないっていうか、敢えて目立ちたくなかったりするような学生でしたし、竜介の役を演じてて、多分竜介もコユキみたいに内気というか、そういう子だったんじゃないかな?と。やっぱり人間って、出会いとか何かのきっかけで変わっていくんだな、変わっていけるんだな、っていうのを、このアニメを通して改めて認識したという感じです。」
――役と一緒にそれぞれの声優さんについても聞いていこうと思います。まずコユキの浪川大輔さんですが
上野 「年が同じなんですよ。なので、僕は一時アメリカにいましたけど、その前後の育ってきた環境っていうのは世代が一緒なんで、話が合う部分はいっぱいありますね」
――浪川さんとは一番最初のアフレコの時から、絡みが多かった思うんですけれど。
上野 「最初っから驚かされました、あの声。まさにその、普段の生活であんまり聞かない声なんで、うわぁ〜〜〜って思いましたね。で、浪川さん自身も、凄い、経験もある人ですし、見ていて面白いですよね(笑)。彼の他の作品も見る機会があると、『へぇ、上手いことこういうキャラに色つけて演ってるな』って、勉強になります」
――次にフロントマンの千葉ですが。
上野 「千葉は、ホントになくてはならないキャラじゃないでしょうか。千葉がいることによって、みんな肩のチカラがいい意味で抜けるというか、そういった役割を果たしていると思います。大畑さんは、もうホントに千葉がそのまんま!みたいな役割をスタジオのでも果たしていると思いますね」
――ムードメーカーですか。
上野 「ムードメーカーですし、一番バカっぽいキャラっていうか(笑)。みんなからツッコまれるキャラなんですけど、
  本人は結構周りの空気とかを気を使ってるんだっていうのが分かるし、一緒にいると何か居心地がいいっていうか。僕、結構不精っていうか、人づきあいに対して消極的ではないんですけど、とても積極的でもないんで、千葉っぽい大畑さんがいると、ラクですね」
――なるほどね。ではベースの平は?
上野 「アニメの方の平クンは………バックグラウンド的なものはアニメでもマンガでも多分、紹介してないんですよね。その辺がまた、ミステリアスで。多分BECKの中で親友になるんだったら平かな……っていうような印象が。で、声優の野島さん、あの人は多分ね、マイナスイオンが出てます(笑)。癒される。そういう意味では平クンと似てるかな」
――続いて、ドラムのサクは?
上野 「サクは……ある意味平クンとかぶるっていう部分があるんじゃないかな。何かこう、同じマイナスイオンを出している、雰囲気がフワッとしてるし。いつも笑顔だけど、芯が強い、っていうところがサクの魅力なんじゃないかな、と思います。」
サク役の奈良さんは……余りマンツーマンで話したりとかはないんですけど、演じる本人もサクに似たところがあるんじゃないかな、ってところはありますね。野島さんと奈良さんはマイナスイオンが出てるかな(笑)」
――バンドのメンバーからは外れるんですけど、竜介と絡むというと妹の真帆ですね。
上野 「アニメの真帆は、めちゃめちゃタイプですね」
――妹ではなく恋人として?
上野 「いやぁ、でもやっぱ妹ですね、どっちかっていうと。ああいう、自己主張の強い子って好きなんですよ。イイじゃないですか、『あんまり女の子を意識してない女の子』みたいなのが」
――それでは、演じている斉木は?コユキの次ぐらいに会話する場面が多いかもしれませんが
上野 「いや、そうでもないです。兄妹で話す機会ってあんまりないんですよ。だけど結構、英語の台詞とかがあるんで、そういう時に相談してきてくれたり、そういった意味で気を使ってくれてるんじゃないかなー、と思います。なんせ声のプロでないのがキャストの中で僕1人なんで、皆さんにいろんなところで気を使ってくれたりしてるんで、すごくありがたいです。斉木さんなんですけど、すごく頭がイイ人だと思います。飲み込みがいいし、周りの空気もちゃんと大事にしてるんで。彼女はそうだな……真帆とキャラが被ってるかっていう面では、あんまりかぶらない気が僕はしますね」
―― 一方のヒロイン・泉ちゃんですが、彼女自体が竜介と絡む場面が余りなくなって。
上野 「泉ちゃん、イイですね(笑)。真帆と泉ちゃん、2人とも対照的な、日本で育った女の子とアメリカで育った女の子みたいな、描きわけかたは好きですね」
――違う区別の仕方をするなら、妹タイプとお姉さんタイプみたいな。
上野 「そうですね、ホントそのまま妹にしたいタイプと、お姉さんにしたいタイプっていうふうに分かれていると思います」
――で、恋人にするんだったら両方という感じで?
上野 「まぁ (笑)。でも、選べないですよね。演じている丸山さんとはストーリーが進行するにつれお会いする機会も減っちゃったんですけど、僕がイメージしてた女性声優さんがそのまんまいた!っていう印象を受けました。」
――そして直接竜介とは絡まないんですけど、斎藤さんは?
上野 「いや〜〜〜、キャラが一番濃いですよね。腹を割って話してみたい人の1人ですね」
――それは斉藤さん?掟ポルシェさん?
上野 「ポルシェさんです」
――演じているキャラ以上に本人が面白いですか。
上野 「はい。でも斎藤さんも負けじと面白いですけれど。(キャラの)斎藤さんは何だろう……『面白い人』に尽きますね。でも俺、友達になってます、きっと。俺も斎藤さんにギター教わりたいですね。何気に、『BECK』に出てくる中では、すごく大事なキャラだと思います」
――なるほど。『BECK』を見てくれた人から、竜介と竜介を演じる上野さんに対して何かリアクションはありました?
上野 「『カッコいい』って言ってくれました(笑)。たぶん僕自身みたいなのが5人集まると、どうしようもなく駄作だと思うんですけど(笑)、あの中で僕のちょっと素人っぽい声があるから、マッチしてるんだなー、っていう気がします。みんなに助けられて、まさにコレがケミストリーかな、っていう(笑)」
――キャラと同様、音楽・ロックが『BECK』のカッコよさの一つだと思うんですけど、『ロック』という言葉から先ず思い浮かぶアーティストは?
上野 「ロックっていうと……ボブ・ディランとか、ああいう土臭い方を想像しますね。ディランとかトム・ペティとか、ローリング・ストーンズとかにロックを感じます。ビートルズはロックというか音楽全部をやってる感じがするんで、ロックって言葉ではあんまりピンと来ないです」
――そろそろ〆として、上野さんから『BECK』のこんなところを見て下さい、あるいは竜介のこんなところを見て下さい、というのがありましたらお願いします。
上野 「『BECK』はもちろん音楽ですね。他のアニメよりも、ずっと音楽にチカラが入っていると思うんで注目して欲しいです。竜介は……えー、僕の敢えてチカラの抜けた演技に注目してもらいたいな、と(笑)。頑張ります」
――頑張って下さい!ありがとうございました!

   
   
(C)ハロルド作石/講談社
(C)ハロルド作石・講談社/2004 BECK製作委員会