| ―今回曲を作られるにあたって、原作の漫画を読みこまれたとのことでした が、感想はいかがでしたか?
 
面白かったです。ひとりでずいぶん、泣いたり笑ったりしてました。
 根底にある優しさや、明日への希望みたいなところが、好き。
 
ひとつ、読んでいて思い出したのは、私は特別に猫が好きなわけではないのですが、猫のほうは他の人といても私にすりよってくる傾向にあるなぁ、と
 いうこと。なぜだろう?
 そういえば昔っから、“私が好きになる人”と“私のことを好いてくれる人”
 にもズレがあって、たくさん片思いをし続けてきたような気も…。
 あ、話がそれました(笑)
 
―OP「For フルーツバスケット」ED「小さな祈り」。両曲とも岡崎さんが作詞・作曲ともに手がけられていらっしゃいますが、作詞をされるにあたって
 意識された点はどこですか?
 
何よりも、まずは「フルーツバスケット」の歌を作るのだということ。そして、優しさと言っても、“いいよいいよ、大丈夫だよ”というなまぬるい
 感じでなく、ちゃんと現実もみつめたかったので、“傷”とか“嘆き”とかの
 厳しい言葉も、ちょっと意識して使ったかも。
 
ED「小さな祈り」は、言葉少なに言いたいことが言えているといいな、と思い、そうしました。
 
―同じく作曲される際、意識された点はどこですか? 
言葉(詞)は考えに考えて選び抜くのだけれど、曲は“でてきた”というか“生まれてきた”時の方が、私の場合、絶対にいいので、逆に無意識になろ
 うとしました。
 ―なーんて、“でてくるまで”はひとりで悶々としてるのですけれどネ。
 そう、ちょうど曲を作っていたときは風邪で熱も出して、身悶えしてたんで
 した。
 
―レコーディングされる際、心がけられた点はありましたか? 
はい。レコーディングの日はどうにも余裕がなく、恐いオーラをだしているらしいのです(笑)
 ほら、スポーツ選手も緊張して筋肉がカタマッテいては、実力を発揮できな
 いでしょ?それと同じで(ちょっと違うか…)、歌が味気ない四角四面な感
 じになるのは困るので、自然に感情が流れ出るように身も心も上手にほぐす、
 というのが、今でも私のテーマです。
 
―今回の曲の中で、一番ここを聴いて欲しいというポイントはありますか? 
それはないです。ある人は歌詞の“生まれ変わることはできないよ だけど変わってはいける
 から”のところを、別の人は“つめたい土の中で芽吹く瞬間を待ってたんだ”
 が好き、と言ってくれて、私はそのどれも嬉しいから。
 あ、ただ、今回はひとつひとつの楽器の音がとても人間的で暖かいので、そ
 の感触を楽しむのもよいかもしれません。
 
―今回、岡崎さんの曲はもちろん、オープニングアニメーションもとても素敵なものが出来上がってきていると思うのですが、初めてご覧になられたとき
 の印象はいかがでしたか?
 
エヘヘ…それが、最初に印象に残ったのは、お茶の湯気だったのでした。それから、雪のちらつく場面。
 だけど、オープニング映像の全てを見終わって目を閉じてみると、浮かぶの
 は、洗濯したてのシーツの日なたの匂いや、小学校の低いイスの感触など。
 記憶の中にある触感をいろいろ呼び覚まされた感じがします。
 
―最後にファンの方へのメッセージをお願いします。 
どうぞ、聴いて下さいね。人間はそれぞれに孤独だけれど、決してひとりぼっちではない、と思う。
 いろんな事が起こる日々でしょうが、どうかあなたも毎日お元気で!
 
ありがとうございました。 
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