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小猿日記
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#7「斬られて落ちて消えていた」

「姓はむっちり名はむうにい」

今日は『十兵衛ちゃん2』にとって記念すべき日!! いよいよ今夜、待ちに待った『2』の放映スタートなのでヤンス~。 スタジオにもいつもよりスタッフさんも多く駆け付け、浮き浮きしていました。
放映日とあって、話題ももちきり。 アフレコも元気にスタートしました! 前回の動物村から雰囲気は一変して、ついにこの7話においてフリーシャが自由にその正体を明かします。 Aパートの見どころは自由VSフリーシャの空中戦。 当然、演技指導にも力が入ります。

堀江さん、恵里奈ちゃん、麗子さん、彩夏ちゃんの四人の女性がマイク前に立ち、一回目のテスト終了後、監督がブースに入ってきました。 「今のテストの感じもすごく良かったんだけど、それはキープしておいて、今回はもう今までのパターンにない音が欲しいんですね。」「『ゲッ』とか『アグッ』とか『キェー』、『オワッ』みたいなかつてない音を何かそれぞれに欲しい。」「もうアカサタナのすべてを使って。 多少乱れてもかまわないから本気の音をください。」という指示が出ます。
それを聞いていた矢部先輩、「彩夏ちゃん、落下する時にさりげなく自分の名前言ってみてごらん。 『アッ!』『ヤァー』『くぁーっ!!』って。」はははっそれ面白いなぁ。 彩夏ちゃん、「怒られたらどうしよう。 「あやか」とか言ってんじゃないって。」「こっそりこっそり。 僕がオンエアみて楽しめればいいから(笑)」と入れ知恵タイガー仁佐衛門。 やってやって♪彩夏ちゃんっ!
そんな一時のなごやかムードも本番が始まると同時に吹き飛びました。
緊迫の死闘を演じる四人。 「自由とフリーシャの一騎討ち、ものすごい死闘だから息を出さざるをえない。 必死な息を入れてください。」「線画は見にくいと思うけど、ここでこう、刀が合わさっていますよね。 それで弾かれる。 そこで弾かれた時の息を入れて。」「思いきり踏ん張ってください、鬼のように。」「ここは声を吐き捨てる感じで。」「ここ、フリーシャが岩壁から抜けます。 抜ける時の身体を起こす息。」「鮎之介はここで帯をたぐって自由のところまで来るから、よいしょよいしょという感じで息を入れてください。」もうすべてが息、息、息!『ドキっ、女だらけの大吐息大会!』を見ているよう。 調整室からもお手本なのか応援なのか、監督のうめきが聞こえてきます「あ~~~っ」「あうっ」。
かずやさんも監督もボルテージが上がって色々なアドバイスをしてきます。 「痛くて気絶しても『痛――っ』て言っちゃダメだよ(笑)。」「フリーシャ、今の御影を見習って『あぐぅ』って言ってみて。」「無理矢理胸から何か押し出されるような、血反吐を吐くような声を出してください。」ああ、横でもう聴いている方が痛いですワ。
最後、「自由が上から来たから、フリーシャは自由十兵衛に向かって、下から突進するような感じで。」という指示に「ウォォォォォー-ッ」と叫ぶフリーシャ恵里奈ちゃん。 森に落ちていく自由、鮎之介、御影、そして喜多。

 7話は正直、アフレコの段階では、アクションシーンがどうなっているかよく分からず、動体視力が全然ついていかなかったコザル。 キャストの方々が絶叫していたのは覚えていても、どういう状況になっているか今イチぴんときていませんでした。 後日、完成した映像を観た時、そのあまりの美しさと迫力にもう驚愕しました。 空中戦のスピード、帯が風に舞う動き、目にもとまらぬ殺陣、そして静寂の原生林、降りそそぐ森の精気。 自分の中で初めて7話が印象強く、色濃く浮上しました。
 アクションシーンはむしろコンテ段階の方が迫力がある傾向が強いそうなのですが、映像が完成してこれだけの力強さ、スピード、美しさになったのは驚くべきことだと監督も大感激。 絵コンテ・演出の板垣伸氏の才能、その他たくさんの全てのスタッフ陣のお力です。
 フッと余裕の笑みを浮かべるフリーシャを最後に、Aパート終了の声がかかります。

 直後に、一人の女性が大地監督とご一緒にブースに入ってこられました。 「こちらは十兵衛ちゃんの漫画を描いてくださっているむっちりむうにいさんです。」おおっ、このお方が!皆拍手でお迎え。 コザルも大感激!声優がむっちりさんの周りにをぐるりと囲み、監督が「じゃあ、ごゆっくり。」と置き去りにしかける。 「えっ!?」と円陣の真ん中で動揺するむうにいさん。 そりゃあ先生も困るでしょう~。 コントじゃないんだからっ。
 先生は現在月刊コミック『電撃大王』(メディアワークス刊)で「十兵衛ちゃん2」の漫画を執筆していらっしゃいます。 前作、「ラブリー眼帯の秘密」も漫画化されています。 面白かったですよ~。 一度聞いたら忘れられないペンネームのむっちりむうにい先生、領収書の宛名も「むっちり様」って本当ですか。 今度サインくださーい。

 休憩時間、また女性陣でお喋りに花が咲きます。 「今、気付いたんだけどフリーシャのフリーって自由ってこと?」「そうらしいですよ。」「そっかあ、じゃあ、わたしたち同一人物なのね。」と堀江さん。 「じゃあ、最後は合体するのね。 声変わっちゃうかなあ。」「わたしたちいらなくなるのかなあ。」と突っ走るほっちゃんと恵里奈ちゃん。 何を仰いますか!ちゃんと二重音声ですよ、安心してすぱこいな。
 向こうでは矢部センパイが名塚佳織ちゃんに話しかけてます。 「Bパートは婦人警視正ナヅカにかかっている。 AパートがギャグだったからBパートはシリアスにしめてね。」ちょっと待って、何か変ですよォ~、っていうか皆さん今日変ですよ~?

 さあ、Bパートは一体どうなることでしょうか。 動のAパートから静のBパートへ。 ガラリと雰囲気も変わります。
 原生林の中で、気絶している自由に、まろとさっちんが語りかけるシーン。 「水底に沈んでいる状態で水面を見上げるような、遠い意識の向こうから語りかけられているような表現をしたい。」「特殊なシーンを録るから、マイクのレベルを上げます。 皆さん音を立てないでください。」とかずやさんに言われ、静まり返るブース。 隣の方の心臓の音まで聞こえそうなくらいしんとした中、堀江さんがマイクギリギリまでに近づき、呟くようにセリフを言います。 「フリーシャは・・・フリーシャはね・・・」「言えないよ、何も知らないまろとさっちんには、フリーシャのこといえないよ」深い沼の底でたゆたうような自由の意識と、ブースの静寂と空気が重なります。
 セリフが終わった後、「エアコンついてる?」とかずやさん。 「いいえ。」「あれっ、そう?」何か風の音が入ったのかなあ。 矢部センパイが「まさか、堀江さんの・・・」「ええっ!?」と笑い出す堀江さん「鼻息かな~。 ごめんなさーい。 マイク吹いちゃイケナイと思ってずっと息止めてたんですけど。」うそおっ死にますってばほっちゃん!!
「7話の最後、何かみんな泣いてますね。」と言うと、監督と長濱さんが口々に「そうだよみんな泣くよ。」「御影も泣く。」「ホワイトタイガーも泣く。」「フリーシャも泣く。」「警視正も泣く。」警視正は泣いてませんよっ。
アフレコ終了後に前田さんはビデオデッキを買いにいかれるといい、急いで帰っていかれました。 放映日に買うなんてチャレンジャーですな、喜多殿。 どうか接続、間に合ってくださいね~。

 25:30に『十兵衛ちゃん2』の制作会社マッドハウスにて、スタッフさん達と集まって祝杯をあげました。 この日第1話が無事に放映されたのは応援してくださった多くの人々のお力によるものです。 何度も観たはずなのに、冒頭の十兵衛と喜多烈斎の闘いから始まり、メインテーマが流れただけで鳥肌が立ち、もう涙が出そうになりました。 ブラウン管に映る映像や聴く声もとても新鮮に感じ、CMが途中に入ると、ますます今、テレビで放映されているんだなあ、と実感が湧きました。
 終わった後、監督やスタッフさんたちの携帯にたくさんのメールや電話が舞い込んできていました。 夜が更けていっても興奮はなかなか収まりませんでしたよ。

 そんな1話からとうとうこの7話で『2』も折り返し地点に来ました。 果たして自由達が笑顔で「ロシア風白玉黒玉黒みつあんみつ」を食べられる日は来るんでしょうか。 どうぞあと半分、『十兵衛ちゃん2』を応援してください。 これからの展開はますます目が離せないですよ!それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!
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あとがき            
(C)大地丙太郎・マッドハウス/j2製作委員会