KING AMUSEMENT CREATIVE | SONIC BLADE

 プラモデル作りが好きな少女・青葉は、ある日突然誘拐され、南米ベネズエラに連れて行かれた。そこは地球最後の秘境、大小100以上もあるという断崖絶壁のテーブルマウンテン。その地では近年、【古代人機(コダイジンキ)】と呼ばれる謎の機械生命体が出現し、人類に牙をむいていた。その侵攻を防ぐため、政府はアンヘルという秘密機関を組織。【人機(ジンキ)】と呼ばれる巨大ロボット兵器で対抗していた。やがて青葉は人機の操主となり、事態は大きく動き始める……!

 そして、それから3年後の東京。ロストライフ現象と呼ばれる、ひとつの町が消滅するほどの爆発が世界各地で起き続けていた。その実態は、キョムという組織が人機を使って世界各地を攻撃していたのだ。アンヘルはそれを食い止めようと追い続けていた。3年より前の記憶をもたない少女・赤緒は、自ら人機の操主となって戦い、人々を守る決意をする。赤緒の周囲には、同じように人機を操る少女たちが集まっていた。

 ベネズエラで戦う青葉。
 その3年後、東京で戦う赤緒。
 同時進行で進む2人の物語は、やがてひとつの謎に集約される。
 少女たちの壮絶な戦いの先にあるのは、明るい未来か、それとも暗黒の絶望か?

 ハイクオリティーロボットアクション、ついに開幕!!
脚本:荒川稔久 絵コンテ:殿勝秀樹、むらた雅彦 演出:むらた雅彦 作画監督:桝田邦彰、杉山了蔵 
メカ作画監督:松原一之、牟田口裕基
<1988>
 アンヘルの人機部隊とキリビトの戦いが始まった。単座仕様のモリビト2号を駆る青葉は、赤緒が自分を呼んでいるのを感じる。青葉にチャンスを与えるため、囮となってキリビトの攻撃を引き付ける良平たち。降りしきる雨の中、戦いは湾岸から芝、六本木へと舞台を移していく。「目を醒まして!赤緒さん!」必死に呼びかける青葉の叫びも修羅と化した赤緒には届かない。5体の人機がキリビトを抑え込んだ隙に、コクピットを傷つけず血塊炉を狙い打とうとする青葉だが、人機の活動を無力化する赤緒の能力によって、逆に一同は大きなダメージを負わされる。「消すしかない……あの子を……この世から!」悲痛な決意を固めた青葉は、モリビト2号の非常用ブーストスイッチを押す。モリビト2号は限界を超えたパワーでキリビトに体当たりを加え、数十キロの距離を吹き飛んで箱根山地の山肌にめり込ませる。無我夢中でキリビトのコクピットに刃を突き立てんとする青葉。このまま、赤緒を救うことは叶わないのだろうか……?

 
脚本:荒川稔久 絵コンテ/演出:後 信治 作画監督:小菅和久、晶貴孝二 メカ作画監督:下川寿士
<1991>
 赤緒の操るキリビトは両兵たちの制止に全く耳を貸さず、その強大な破壊力でたちまち東京湾岸の市街地を破壊しつくした。4体の人機の力を合せてリバウンドフォールを繰り出しても、キリビトを海中へと押し返し、その活動を一時的にストップさせることしかできなかった。必死で人機を修復するエルニィたちだが、再度の襲撃に耐えられる可能性は少ない。

 そんな中、太平洋を越えて一機の連絡機が厚木基地に到着した。乗っていたのは、戦士として、女性として成長した青葉だった。「初めまして、皆さん。私は悪魔の片割れです」柊神社で一同に南から一同に紹介された青葉は、シバから聞いた黒将の最終的な企みを語り始める。両兵の父・現太と彼を想う赤菜。そして白矢=黒将が赤菜に抱いた歪んだ愛情が、現太への底知れぬ憎悪を生み出したことが全ての始まりだったのだ。

 
脚本:荒川稔久 絵コンテ:桜田本舗 演出:徳本善治  作画監督:岩井優器  メカ作画監督:山本佐和子
<1991>
 あの戦闘から3日、シバと共に去った赤緒の消息は掴めぬままだった。南たちは、航空自衛隊厚木基地で、ベネズエラから川本が“ある物”を運んでくる輸送機が到着するのを待っていた。赤緒はなぜさらわれた?というメルJの問いに南は、赤緒自身も気付かなかった能力を、人機に乗せることで覚醒を促してしまったせいかもしれない、と語る。その頃、赤緒は絶海の孤島で目を醒ます。シバに拉致され、八将陣のハマドに虐待されかけた彼女を救ったのも、またシバだった。自分のことを「悪魔ちゃん?」と呼び、親しげに接してくるシバの屈託のなさに、敵とは知りつつ奇妙な親近感を覚える赤緒。しかし、束の間の安息を打ち破るかのように飛来した巨大な人機。それこそ、現太が死の間際に言い残した恐るべき赤い人機、黒将の野望を仕上げるための切り札・キリビトであった。

 
脚本:川崎ヒロユキ 絵コンテ:殿勝秀樹 演出:後 信治  作画監督:高橋勇治、村上直樹  メカ作画監督:立田眞一
<1991>
 赤緒を人質に取り、メルJを挑発するJハーン。「どうした?もっと心を落ち着かせないと弟の仇は取れないぞ」メルJの記憶を玩ぶそのやり口に、赤緒は激しい怒りを覚える。辛くもJハーンの手を逃れた赤緒は、私たちと一緒に戦おう、と協力を申し出る。過去にさいなまれる者と過去を無くした者同士、赤緒に共感を覚えるメルJ。Jハーンのダークシュナイガーを迎撃するため、力を合せて戦う赤緒のモリビト2号とメルJのシュナイガートウジャ。有利に戦いを進める2人だが、シバが操るモリビト1号の出現で形勢逆転。苦闘する赤緒の心に、「戦ってはいけない……」あの声がまた響いた。混乱する赤緒の姿に、シバは自分の仕掛けたゲームが、詰めに入ったことを確信する。
 
<1991>
 静花との戦いから3年。青葉は黒将との決闘で命を落とした現太の遺志を抱き、古代人機との戦いを続けていた。「私もこれから向うわ……日本に」現太の墓前に告げ、青葉はキョムの拠点を追って東京へと旅立つ。

脚本:川崎ヒロユキ 絵コンテ/演出:むらた雅彦 作画監督:杉山了蔵、湯本佳典 メカ作画監督:牟田口裕基
<1991>
 人機に乗ることを決意した赤緒は、操主となるためのトレーニングを開始した。基礎トレーニングを難なくクリアし、模擬戦闘でも目覚しい動きを見せる赤緒に、両兵や南は驚きを隠せない。しかし、戦いに没頭しかけた赤緒の心に、「戦ってはいけない……」直接語りかける声が。赤緒は自分の中にいる何者かを、失われた記憶の中に探すのだった。ある夜、八将陣のJハーンの前に窮地に立たされたルイとエルニィを援護するため出撃しようとしたモリビト2号だが、突然見慣れぬ銀色の人機が飛来し、敵人機との間に割って入った。「お前は私の獲物だ、Jハーン!」乱入者の正体はメルJ・ヴァネット。かつて、アンヘルから銀色の人機――シュナイガートウジャを強奪した一匹狼の女戦士だ。弟の仇敵であるJハーンを倒すべく激しい空中戦を繰り広げるメルJだが、勝負を賭けた一撃を見切られ、撃墜されて負傷してしまう。

 
脚本:雨宮ひとみ・荒川稔久 絵コンテ/演出:中山正恵 作画監督:下谷智之 メカ作画監督:下川寿士
<1991>
 ロストライフ現象は世界各地に広がり、人類を恐怖に陥れていた。態度は明るい南だが、八将陣の戦力に対抗するには、赤緒の秘めたポテンシャルが必要と痛感し、口八丁手八丁で勧誘を試みるも、赤緒の態度は頑なだった。一方、買い物に出たさつきは、南米に行っているはずの兄・川本宏と街中で出会う。「お帰りなさい!お兄ちゃん……」川本の胸に飛び込むさつきだが、優しい兄にはない奇妙な違和感を感じるのだった。 

<1988>
 青葉と両兵、静花と黒将の駆る人機同士の戦いは続いていた。「もっとあたしを憎むのよ!心の底から憎みなさいっ!」静花の挑発に怒りのままの攻撃を続ける青葉だが、激しい輝きを放っていたモリビト2号の血塊炉が光を収縮させ、静かになった。「本当はあなたを憎みたくなかった!……今からでもいい、好きでいさせてよお母さん!」青葉の涙に、憑かれたようだった静花の表情に変化が起こる。


(C)綱島志朗/マッグガーデン・アンヘル日本支部