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第8話  『冬来たりなば春遠からじの巻』

●「小林のどきどき日記」
ほにゃ月はにゃ日(日ようび)












   
9:00 めざましが鳴ったので起きる。でもまたすぐ寝る。
   
10:00 また起きる。また寝る。
   
10:30 今度こそ起きる。起きねば。
ヘンなカッコで二度寝したので腰が痛い。おなかへった。
   
11:00 ごはんを食べる。
朝からぜいたく。ふかひれすーぷ。ビフテキ。お寿司。 
幸せ絶頂夢いっぱい。
そばに立っていたメイドに、お代わりを申しつける。
「これカトリーヌ、かわりをもて」
顔を見たらお母さんだった。
ホントのごはん。
缶詰のサバみそとほうれんそうのおひたし。
これはこれでおいしい。
   
11:45 コギャルの命、眉毛を整える。
鏡とにらめっこして真剣勝負。
鼻がムズムズする。手を止めようとして。
「ぃいっくちゅん!」
間に合わず、まゆげが片っぽなくなった。
   
13:05 なんとかまゆげを修復し、富永との待ち合わせ場所へ行く。
今日は駅前のデパートで服を買う約束。
5分チコクしたくらいで富永はうるさい。
そんなじゃお嫁のもらい手がないぞ、と言うと、
「だらしないあんたよりはマシよ」と返された。
その通りだと思った。
   
14:00 デパートをうだうだ探索していると、
西口の伊藤豪華堂でかわいいニットワンピースを発見。
超ステキ。超あたし好み。超似合うはず。
バイト代も入ったし、ソッコー買うことに決定。
   
14:10 レジでおさいふがないことに気づく。
「大変じゃない、すぐ探しましょ」
富永が心配してくれる。
いつもは毒舌のトミーだけど、こういう時はやっぱ友達だなぁって思う。
思わず感激していると、
「あたしがおごるハメになったら困るから、絶対見つけないと」
・・・あー、こんなヤツだった。こんなヤツだった。
15:00 デパートのお姉さんも一緒に探してくれるが、おさいふは見つからず。
もうダメだ。今月は水と空気だけで生きよう。
さよならあたしのバイト代。さよならニットワンピ。
さよなら帰りに食べようと思ってたチーズケーキ・・・・。
   
15:15 落ち込んでいると、携帯が鳴る。
「あんた、玄関にサイフ忘れてるわよ」
ああ、おかん。もう少し早く言っておくれよおかん。
安心はしたけど、富永の視線が怖い。
   
17:00 家に帰るのもあれなので、そのまま富永とラーメン屋に行く。
興津軒のラーメンはちぢれ太麺でおいしい。超絶美味。
富永、口ではあんなこと言っておごってくれるのかなー、
と期待してたら、
「安心して。利息までは取らないから」
なーんてにっこり微笑まれた。
長年付き合ってるけど、ホントに敵に回したくないタイプだ。
   
18:00 家に帰って宿題をする。やりたくないけど。
答えを考えながら、鼻に鉛筆をはさむ。
消しゴムを耳にのせる。
つまようじをまつ毛にのせる。お、2本のった。
あたしすごい。まゆげはないけど。
   
25:00 気がついたらこんな時間。いつの間にか寝ちゃったらしい。
ノートには、判別不能な文字というか線がへにゃへにゃと並んでいる。
中山ちゃんのマンガ並みだ。
   
25:30 宿題はあきらめて、『せんせいのお時間』を見る。日曜の夜はこれに限る。
このアニメってなんかうちのクラスと似てて好き。
   
25:55 あっという間にエンディング。
ふられ気分。DROPS最高。いちお言っとく。
来週は第8話『冬来たりなば春遠からじ』らしい。なばだのらじだのチンプンカンプン。
もう少し国語の勉強しないとダメだってみか先生にも言われたな。
   
26:00 宿題のことなどすっかり忘れて、ベッドに入る。
まあ、富永か北川か委員長に見せてもらえばいいや。
おやすみなさい、皆の衆。
明日も元気で会いましょう。
小林あかねでした。ぶい。
   



 
  
 


 

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