angela

Special

2005年3月29日、ついにangelaにとって記念すべき全曲ライブがやってきた。3月も終わりというのに、この日の東京都内は日中の気温が10度そこそこという肌寒さ。にも関わらず、スタート1時間前は渋谷AX物販コーナー前には500人以上の長蛇の列が。例によってチケットは即日完売、残念ながら来場できなかった皆さんのために、この熱気の一部でもフォトレポートでお届けしよう!
開演時間が押し迫り、angela所属事務所ミュージックワンダーサーカスの松浦社長の前説が終わると場内は暗転。
ステージに下ろされたスクリーンにangela=a列車が走り出した2003年5月21日から今日までの旅をイメージした映像が映し出される。ひときわ眩しい光の中へa列車が突入すると、静かに幕を開いたステージ上にはatsukoとKATSUがただ2人だけ。アコースティックギターに乗って歌い出されるのはアルバム『I/O』のプロローグナンバー『CORE』
『CORE』のアウトロとクロスして聞こえてきたのは、『明日へのbrilliant road』
atsuko「一緒に踊ってーっ!! AX、盛り上がって行くよ!」
パイロ(花火)と共にリズムが爆発し、みんなを乗せて3時間余り、a列車の旅が始まった。当然、バンドは超金管隊とドラムのじんぼちゃん、ヴァイオリンのカナちゃんを加えたフル編成だ。
atsuko「皆さん、こんばんキーン! atsuko先生でぇ〜すぅ。……まずオレかよって感じだよね(笑)angelaでぇっす!今日は、angela・live in 渋谷AXにご乗車頂き誠にありがとうございます〜……ちょっと車掌っぽくないかな?」
KATSU「ええ、皆さまご乗車有り難うございます。次は『in your arms』、『in your arms』」
この車掌口調は一発ネタであり、ライブ中このキャラで通すわけではないので忘れるように。照明はガラリと変わって赤基調、4人のダンサーズ:超踊り子隊(←KATSU命名)が登場。ゴージャスな雰囲気で『in your arms』『butterfly』とスゥイング感溢れるナンバーを続けて2曲。
この時点で告知済みのことだが、今回のライブがDVD化されることが改めて2人からアナウンスされる。全曲ライブだけでなく、トークライブもやってくれ、という声が飛ぶが、
atsuko「トークライブやると今日はみんな帰れないよ」
全くその通り。実は今回、atsukoは10時までに終了させる!という目標を立てていたのだ。DVDでも2枚組仕様となる今回のライブ、キッチリ目標時間内にまとめ上げれば、生でライブを見られなかった人も同じ時間感覚を共有できるに違いないし、生で見られた人も、よりリアルに思い出を蘇らせることができるに違いない。
atsuko「でも、ライブで初めて演る曲っていうのは緊張するものです」
全曲ライブということで、初めて生で聞ける曲も今日のポイント。『小さな歴史の詩』『on my way〜reborn〜』と、ムードあるナンバーをアルバム収録どおりの曲順で2曲。そして、
atsuko「跳ぶ準備はOKですかーっ!?」
ガラッと雰囲気を変えてノリノリの『謝罪状況』『年下未知数脳内HD』。渋谷AXはかつてangelaがストリートライブを始めた代々木公園のすぐ近く。
atsuko「ああ、そういえば3年前ココで演ったことある!って思った。で、その頃、AX見て『いつかココで……』みたいなのが、なかったんだよね」
KATSU「その頃、空き地だったんじゃないかな」
atsuko「あと、代々木公園で思い出したのが、KATSUがチラシをコピーしている間、先に場所取りをしておけと命じられたのね。それで座って待ってたんだけどKATSUが来ないの。周りはバンドさんばっかりで機材を持って来てるんだけど、私はギターもなくてバッグ1つで待ってるしかないの。場所取りできなくてさ、「私、もうangela辞めようかな……」すぐ気弱になるから(笑)」
そこで辞めていたら今のangelaは無かったわけで、場所取りひとつやり遂げられるかで人の運命は変わる、というお話であった……かも知れない。次の2曲は、それぞれ『宇宙のステルヴィア』『JINKI:EXTEND』のEDテーマ、『The end of the world』『未来とゆう名の答え』。そしてMCを挟んで『蒼穹のファフナー』のEDテーマ『separation』と、エンディングテーマ3連発で一旦、前半の幕が下ろされたのだった。
ここで再びステージ前のスクリーンに映像『angelaのふらり途中下車の旅・a列車編』が流されて、インターミッション中のみんなを楽しませたのだが、例によって無許可素材がふんだんに取り入れられたカルトフィルムだったためにこの場では紹介を控えさせて頂きます。代わりに、当日会場入りするatsukoとKATSUをご覧下さい(バックステージショットの数々はDVD封入ブックレットに掲載!)。
映像の最後に『angelaファンクラブ発足決定!』の告知が流れると、会場から大きな拍手と歓声が。そのさざめきが引きやらないうちに、
atsuko『後半戦も盛り上がって行くよーっ!みんなでJUMP!!』
atukoとKATSUもお色直し、華やかさ5割増しの『How many?』で第2部がスタート。続いては『stay with me』『笑顔でバイバイ』舞台袖から次々と投げ込まれる色とりどりのバルーン、angelaのライブではお馴染みの風船ギミックだが、今回のバルーンはケタ外れの大きさ、フェストゥムに例えるならアルヘンノス型なみのデカさだ。もちろん、森の四天王ことどうぶつチアリーダーズも登場してステージを盛り上げる。
曲間MCでファンクラブ活動への抱負を語ると、KATSUがキーボードの前に座り雰囲気をガラッと変えて哀しくもドラマチックなナンバー『proof』。この時点でファンのみんなは、この曲が嵐の前の一瞬の静けさであることをまだ知らない……
atsuko「……そんなangela、AXスペシャルメドレーをやりまーす!メドレーと言っても、普通のメドレーとはワケが違う。気力・体力・知力・精神力の全てを詰め込んだ、今夜 一夜限りのAXスペシャルメドレー!まず最初の曲は、『綺麗な夜空』!」
そう、わずか3時間弱の公演時間に全ての曲をどう詰め込むか?に対してangelaが出した答えがコレなのだ。ザッと曲順を追ってみると、『綺麗な夜空』〜『solitude〜『maybe..maybe..』〜『merry go round』〜『奇跡のring』〜『カレイドスコープ』〜『feel,like a breeze』〜『pain』〜『dear my best friend』〜『fly me to the sky』の全10曲。もちろん、全てリズムのテンポもメロディの雰囲気も違う。思い付いても誰もが諦めるであろうこの挑戦を、angelaはカンペキに乗り切ったのだ。偉業を達成したのはangelaだけではない。予測不可能な展開にバッチリ付いてきたファンのみんな。最後の最後、トドメとばかりに繰り出された『fly me to the sky』まで、力の限り叫んで踊って跳ね続けたぞ。この模様はライブに参加できなかった皆さんも、ぜひDVDで確認して貰いたい!
KATSU「ああ〜、コレがやりたかったのよ〜!!」(KATSUお兄さま!と歓声)
atsuko「あの、atsuko先生も疲れたので、ココは『atsuko先生!』とお願いします。(atsuko先生!と歓声)みんなのおかげで22分22秒のメドレーも何とか乗り切れたわぁ〜ん!……みんな、このメドレー、カラオケで歌えたらいいと思わない?(拍手&歓声)だから、KATSUがカラオケを作るバイトをすればいいんだよ?」
話を振られたKATSU、キーボードの準備中だったせいもあるが「あ?ああ、カラオケね……」とリアクションが薄い。それまでに、AXスペシャルメドレーは過酷だったのだ。流石にこのままダンスナンバーを続けては出演者、観客共に身体が心配なので、『笑い者のFairy tale』でクールダウン。メンバー紹介のMCが終わると全曲ライブ、残りの曲も数えられるほどにもなってきた。ラスト前はお待ちかね、タオル等回しまくりタイム『Shangri-La』
atsuko「長かった全曲ライブも、コレが最後の曲になってしまいました……最後は限界を超えて、限界を超えて、限界を超えて……跳ぶぜーっ!渋谷!AX!!」
もはや体力・気力は誰もが限界、残っていたのはみんなからangelaへの愛、angelaからみんなへの愛……と言ったらあまりにアニメの最終回的?しかし、そうとしか思えないような爆発力を誰もが発揮して、大盛り上がりの歓声に送られながらangelaはステージを後にしたのだった。
怒濤の本編を終えこれから狂乱のアンコールに突入するわけですが、一同がお色直しをする間、ライブの前々日3月27日に行われた通しリハの模様をお楽しみ下さい。都内の某スタジオにで衣装替えや曲順も本番どおりに敢行されたリハは、午前中から深夜まで丸半日間に及んだ。奇跡の全曲ライブの裏にはこんな苦労があったのだ。
atsuko『アンコールありがとうございます!今日はココで、集まってくれたみんなに報告があります!』
KATSU「選ばれし者だけが受賞できると言われていた、2004年キングレコードヒット賞、頂いちゃいました!みんなのおかげです、ありがとー!!」
angela beamTシャツに着替えて出てきたatsukoとKATSUが賞状と獅子像を高らかに掲げる。みんなの応援でangelaが勝ち取った勝利の証、ラジオ体操の皆勤賞とはわけが違う。
atsuko「angela最高かい?(拍手)せーの!」
みんな「angela、サイコー!」
atsuko「ホントにありがと〜!これもみんなのおかげです♪これからもangelaがんばるからね〜!!(atsuko先生Voiceカワイイ系verで)こんなに色んな声でアピールしてんのに、どこからも声優のお声がかかんないんだよねぇ」
KATSU「しかも、2階(関係者席)にはプロの声優さん、一杯いるのに」
まだまだ様々な野望を秘めているらしいatsukoとKATSUだった。
atsuko「みんなへの感謝をこめて、本来のangelaの姿・2人で聞いてもらおうと思います。『幸せの温度』」
オケもない、バンドもない、KATSUのキーボードとatsukoの歌のみで歌われる『幸せの温度』。ステージの魅力・演出やトークの楽しさを根底から支えている、angelaの音楽そのものの素晴らしさがそこにあった。
atsuko「本当に、全曲ライブ最後の最後の曲になりました!何が残っているかわかる人?(みんな:『Ceers!』)!大きな声で!(『Ceers!』)……スゴイね、みんな何でわかるの?」
angelaが演奏してきた29曲、全部メモってチェックしていたのか?わかるなんてホントにすごい。最後はドラム:じんぼちゃん、ヴァイオリン・kana、新生超金管隊:隊長&トランペット・ゆーこ、トランペット・マッキー、サックス・ミッキー、トロンボーン・マーシー、超踊り子隊:えりこ隊長、みちる、まみ、ひな……バンド&踊り子の皆さん全員が登場して、明るく楽しく『Ceers!』
atsuko「本当にありがとうねー!angelaこれからもよろしくね!ありがとー!!」
バイバイ!
メンバーがステージを去った後も鳴り止まない「もう1回!」のシュプレヒコール。そのリズムに乗って、「ガタン、ゴトン」とどこからともなく列車の響きが聞こえてきた。みんなが注視するステージ、「ピッピッピッピッ」呼び子の笛も高らかに現れたのは電車ごっこをするふざけた大人、ではなくangela trainすなわち本物のa列車だ。
atsuko「本日はa列車にご搭乗、誠にありがとうございま〜す!……電車ごっこなんてしたの、20年ぶりくらいかな(笑)?アンコールどうもありがとう!」
KATSU「今日はMCがあんまり脱線しなかったんで、もう一曲やっていいよ、ということになって」
atsuko「2年間、特急列車のように突っ走って来られたのも、支えてくれるみんながいて、支えてくれるメンバー・スタッフの皆さんがいてくれたおかげです!本当にありがとうございます!(拍手&歓声)ココからがangelaの2ndステージの始まりです!(大拍手&大歓声) 誰よりもどこよりも高い場所へ……行くぜ!angela行けるさ……2人なら行けるさ……みんなとなら行けるさ!」
最後の最後、ホントに最後の曲は『Fly me to the sky』。来るべき2ndステージへの願いを空へ届けとばかり歌い上げるatsuko、唸りを上げるKATSUのギター、そして突き上げられるみんなの腕。
atsuko「みんな最高!AX!AX!AX!」
『Fly me to the sky』の余韻がAXの高い天井に消えて行った後、みんなの心には何かをやり抜いた心地いい疲労感が等しく残っていたに違いない……
atsuko「本当に、今日はどうもありがとー!まさかできるとは思わなかった(笑)……嬉しい、ありがとう!」
atsukoステージ上、今日の出演者全員が並んでカーテンコール。angelaから今日という記念すべき日に、ぜひお礼を言いたいという2人が招かれる。
atsuko「代々木公園で路上ライブをやっていた頃から、この人がいなければ今のangelaはありませんでした!」
1人目はライブの前説でお馴染みのangela所属事務所・ミュージックワンダーサーカスの松浦珠樹社長。そしてもう1人は、
KATSU「今日やった曲は全部この人がいなかったらできなかったし、今日、ここにいるみんな……みんなだけじゃなくて『ステルヴィア』チーム、『ファフナー』チーム、『JINKI』チームの皆さんとも会えなかったです」
という、キングレコード・angela担当の中西豪プロデューサー。みんなからの大きな拍手で迎えられた2人、2人が日頃感じているangelaの素晴らしさとangelaを応援してくれたみんなへの感謝が語られた。
atsuko「最後に、私の声でみんなにお礼を言いたいと思います!今日は、長い長い長い間一緒に走ってくれてありがとー!これからもangelaをよろしくね!!」
マイクを置いて、自分の生の声でメッセージを投げかけたatsuko。満場の拍手で全曲ライブをやり遂げたangelaを讃えるみんなに、笑顔で精一杯手を振るメンバーたち。その前にスクリーンが下り、長かったa列車の旅はゴールへと辿り着いた。でも、このゴールは2ndステージへのスタート地点。新たなステージ、新たな次元で成長したangelaの姿が見られるのは遠くないはず。それまで……またね!

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