angela

Special

忘年会で騒ぎ足りないあなたのために、新年会を待ちきれない君のために、またもやってきました恒例のangela年末ライブ! しかも今回はangela初のホールコンサート! 2005年12月29日に東京新宿は厚生年金会館で開催された、まさにライブを超えたミュージックショー・その名も『ミュージック・ワンダー★大サーカス』残念ながら来場できなかった皆さんのため、その楽しさの一端だけでもお見せしよう!
この日の厚生年金会館は、開場直後から何やら異様な雰囲気。ロビーやホール内を3人のクラウンさんが歩き回り、曲芸や三輪車、シャボン玉、色々な芸でみんなを楽しませている。そう、この会場は今宵一夜、『ミュージック・ワンダー★大サーカス』のテントと化したのだ。やってきたお客さんたちは、クラウンたちの奇術に目を丸くするやら、バルーンアートの風船をもらって喜ぶやら、早くもangelaが発生させた不思議の空間に捕らわれている模様。今日はどんなサプライズが起こるのか?ライブスタートに向けて、いやが上にも期待が高まっていく。
スタート時刻の18:30を少し回った頃、大歓声に迎えられてステージにメンバー達が登場。ところが、atsukoのいるべき位置にはお人形・KATSUの立ち位置には謎のロボットが。2人の身に一体何が?毎回MCが長すぎる罰として、物言わぬ玩具に姿を変えられてしまったとか?ザワつく客席、そこへ現れたのは3人のクラウン。人形をステージ中央の雛壇に置かれた大きな箱に入れると、雷鳴と爆発音が轟き……
atsuko「みんな元気ー? Welcome to the Music Wonder 大サーカス!!」
聞き慣れた声と共に箱を包んだ煙が晴れると、そこには正真正銘、atsukoとKATSUの姿が! angelaイリュージョンで『ミュージック・ワンダー★大サーカス』の開演だ。オープニングナンバーの『綺麗な夜空』で2000余人を飲み込んだ厚生年金会館のフロアは揺れること揺れること(大マジで)。そのボルテージは下がることなく、次のナンバー『未来とゆう名の答え』へと雪崩れ込む。

atsuko「みなさーん、こんばんキーン!(こんばんキーン!)年末だから疲れてるんじゃないのぉ?もっかい行くよ!こんばんキーン!(こんばんキーン!!)angelaでぇっす!初めてのホールコンサートです!!」
KATSU「すごいなー」
atsuko「ね〜、空気が薄くなったような気がする!……今日の日を迎えられたことを、私はホントに嬉しく思います。今日のミュージック・ワンダー★大サーカスは、ラーメンに例えると“全部のせ”です。(おぉ〜!)……なので、MCが長くなるとみんなの終電に間に合いません!」
続いてお贈りするのは新曲『砂の城』。angelaならではの緊迫感溢れるドラマチックなナンバーだ。

次の曲は今日の会場である東京の不夜城・新宿にふさわしいスゥインギーなナンバー『シャフル・ザ・ベイベー』。そしてガラッと雰囲気を変え、松明が灯されエスニックムード溢れるステージで、オカリナの調べが幻想的な『翼』。不思議の国を旅するように次々と展開するangelaワールドに早くも圧倒される。2人の衣装はatsukoが銀のドレス・KATSUが黒を基調にしたゴシック調。「ドイツっぽいじゃん、伯爵って感じで(atsuko)」という理由で、今夜のKATSUのステージネームはルードヴィッヒと決定。
KATSU「今年は念願叶って新宿ステーションスクエアの路上ライブ、復活しまして。この中で来た人いる?(若干名手を挙げる)少な! でも少ないのは当たり前で、これ、事前に告知できなかった、『そういうきまりじゃないと貸せません』と(さる筋から)言われてたんですね。それは、スタチャのangelaの先輩に問題があったんですねぇ(爆笑)」
atsuko「スタチャ的にあの場所は出入り禁止になっちゃったってことですね。それを、(さる筋に)普段着ないスーツを着て、 茶色い髪を髪を黒く染めて、スタッフの人が頼み込んでできたという」
KATSU「あのステージってわずか30センチくらいなんだけど、あれがangelaにとってどんなに高いステージだったか」
全曲ライブ・アメリカ進出・そしてカニ!(AX全曲ライブの時、キングレコードの一番偉い方に「カニ食べたいです!(KATSU)」とステージでお願いした)などなど、2005年は様々な夢を実現させてきたangela、続いての曲は『謝罪状況』そして振付の前説を挟んで『butterfly』と、1年間支えてきてくれたみんなと盛り上がる。

MCを挟んで、angelaが2005年に目指したステップ、いわゆる2ndステージを象徴するナンバー『YOU GET TO BURNING』、そしてそのC/W曲であった『Dearest』では、KATSUが史上初のジャンベ(アフリカンドラムの一種)を抱えて登場。ホールライブにふさわしく、ステージ両幅と雛壇を一杯に使ったステージングで、オーディエンスを魅了する。全曲ライブからメンバーに加わった超踊り子隊(ダンサーズ)も4人から8人へ100%増量(当社比)に成功、様々な衣装でステージに華を添える。気が付けば宴は早くも1時間以上を過ぎ、ここでちょっと中入りタイム。

 
常にロングランのangelaライブ、いつもならメンバーもファンのみんなも一息入れるインターミッションだが、今日はミュージックでワンダーな大サーカス、一体何が飛び出すか、一瞬たりとも気が休まるヒマはない。ステージにスクリーンが下ろされると、まず現れたのは開演前にロビーでみんなを出迎えてくれたクラウンたち。コミカルな芸の数々で会場を爆笑の渦に巻き込んだ。続いては超踊り子隊with atsukoのパフォーマンス。イスに腰掛けて手を叩き足を踏み鳴らし、豊かな表情と楽しいアクションで会場から手拍子を呼び起こす一糸乱れぬ息の合った振り付けに、感嘆の声が沸き起こった。今夜のangelaは歌とトークでは終わらない、ひと足早い新春隠し芸とばかりに、身体を張ってみんなをトコトン楽しませます。華やかな9人が舞台袖に引っ込むと、聞こえてきたのはどこかで聞いたテーマミュージック。「きてます」でお馴染みの、ハンドパワーでお馴染みのあの方のテーマだ。胡散臭さ50%増(当社比)で登場したミスターKATSU、ファンのみんなにも犠牲……じゃない、協力してもらって密かな特技・超魔術ショー。果たして、ミスターはどんな魔術を使って見せたのか?それは、厚生年金会館に来たみんなだけのヒミツ。「自信あったのになぁ」とボヤくミスターに、会場から暖かい拍手が贈られたと言っておこう。
 
幕間のショーが終わり、恒例の予告ビデオで2005年春・ニューアルバム発売&初の全国ツアー決定!の報が告げられると、会場からは「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!」もしくは「フォー!」の大歓声が。その余韻の中、スクリーンが上がるとステージ上にはカラフルにお色直しを終えたメンバーの姿。後半戦の口火を切るのは、ニューアルバム『PRHYTHM』に収録予定の『Yell for you』。もちろんこれが本邦初公開、新作への期待が膨らむ明るいノリノリのナンバーだ。MCの話題も、当然新作とツアーの話。キミの町にもangelaがやってくる、ということでファン待望のライブツアー、「名古屋行く!」「オレ福岡!」などなど、喜びと期待の声に「全部行くって人、いないの〜?」と、atsuko先生から教育的指導が。
『dear my best friend』で体温が上がったところで、雛壇の上にはポンポンを手にしたどうぶつたちが登場! 曲はもちろん『Stay with me』。今日、駆け付けてくれた森の仲間たちはウサギさん、クマさん、パンダさん……ええっと、そこの緑色、アンタ誰? という、よくわからないけどとにかく賑やかな面々。ちなみに、ステージ裏の進行表にも「4〜5匹」とか「6匹」とか、すげーアバウトな数字が書いてあった……これは余談。
atsuko「みんな汗かいてる〜?……今日はangelaナイトですっ!」
そう、東京地区ではこの日が『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』の放映日。2人はこの夏、『ファフナー』の羽原信義監督とカナダのコンベンションに参加したのだけど、その時に監督が回したビデオに映っていたKATSUの「はきゅ〜ん(はぁと)」というリアクションを観た息子さんが、「パパ、『はきゅーん』って何?」と不思議がったという、angelaと羽原ファミリーの心温まるエピソードを公開。
atsuko「コンベンションのステージで、『Japanese most popular word is "moe","moe"is "HAKYU〜N"!』って言ったら、みんなドン引き」
KATSU「カナダ人の皆さんがシーンとなりましたからね」
昨年、アメリカに行った時の「萌え〜っす」に続き、間違った日本文化の拡大を狙ったangelaだけど、またもその目論見は失敗した模様。安心。2004年に築かれた『ファフナー』とangelaの強い絆は2005年を越えても健在だったようで、今回のライブ名物・angela特製グッズガチャ「ぢぇらガチャ」にも、『蒼穹のファイヤー RIGHT OF LIGHTER』なるパクリ……もとい、インスパイア商品が入っていたとか。
atsuko「いいねーそれ!絶対ウケるよって製品ができて、『いい出来じゃん……あ、XEBECさんに言うの忘れてた』っていう。これぞホントの無許可商品。『出来上がっちゃったよ〜?』『売っちゃえ〜』みたいな……(2階席に)スイマセン監督、後で持っていきますんで」
『ファフナー』と歩んだ2年の重みが感じられるような感じられないような微妙な一幕を受けて、KATSUのピアノをバックにatsukoが情感を込めて歌い上げるは『Proof』
atsuko「例えコミケのついでであろうと(そんなことないっ!)……この厚生年金会館に、angelaに会うためみんなが来てくれたことを、私は心から感謝しています。ありがとうございます!……このみんなとangelaが1つになった奇跡の夜に、『奇跡のring』!」
超踊り子隊をバックに『奇跡のring』、そして『ファフナー』とangelaの出会いの一曲『fly me to the sky』で、会場とステージはまさに今、一体に!一瞬、進行が滞る場面もあったが、ノリと勢いとみんなのパワーで乗り切った。
atsuko「何が起こるかわからないミュージック・ワンダー★大サーカスですが、後半戦も超後半戦に差し掛かって参りました!まだ、ハジける元気は残ってるか〜い?(おーっ!)みんなの元気で、限界を超えて……限界を超えて……!」
残った力を振り絞ってラストスパート!『over the limits』超金管隊のホーンがエアバーストと共に炸裂し、Kanacoのバイオリンが厚生年金会館の天井高く響きわたる。KATSUは主に水鉄砲を手にステージの袖から袖へ駆け回り、atsukoのアクションに合わせてみんなのヘッドバンぎングが激しく揺れる。ミュージック・ワンダー★大サーカス、熱気は最高潮!そして……
atsuko「最後の曲でーす!今年の苦しかったことも、悲しかったことも、辛かったことも泣いちゃったことも、全部笑い飛ばしちゃえー!『cheers!』
風船が乱れ飛ぶ中、超踊り子隊もクラウンたちも、今日のショーに出演した登場人物たちが全員ステージに並んでのラストナンバー。みんなで2005年の踊り納めとばかりにダンス・ダンス・ダンス!
atsuko「みんなどーもありがとーございましたーっ!」
豪華絢爛・驚天動地・波瀾万丈・万漢全席のミュージック・ワンダー★大サーカス、こうして目出たくフィナーレを迎えたのだが……
 
みんなの「アンコール!」「アンコール!」に応え、ステージに戻ってきたatsukoとKATSU。ところが、2人は何やら少々物足りない様子?
KATSU「angela、今年は全米デビューしたんで、アンコールは『アンコール・YES!』『アンコール・YES!』で。やり直し!」
一方的なダメ出しをして、2人は再びバックステージへ。しかし、みんなは理不尽な要求にも「アンコール・YES!」「アンコール・YES!」と暖かい声援を。再度ステージに戻ってきたangela、
KATSU「ありがとぉーっ!」
atsuko「みんなすごい嬉しいよ!……何でもやってくれるねぇ」
もちろん、みんなのリアクションは「フォー!」もしくは「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!」だ。ここでお贈りするのは、うりょっちこと白石涼子ちゃんのためにangelaが作った曲のセルフカバー・今宵アナタと『ラヴ・ランデヴー』。うりょっちのソロが発表された当時から「atsukoのボーカルで聞いてみたい!」との要望が多かったナンバー、みんなにとっては1週遅れのクリスマスプレゼント?3日早いお年玉?どちらにせよ、きっと素晴らしいサプライズだっただろう。それよりむしろ、一番驚いたのは今日この曲を演奏すると知らされてなかった、うりょっち当人なのは間違いない。
ここで、今日のライブでみんなを楽しませてきてくれた出演者たちがステージに登場し、メンバー紹介を。超踊り子隊×8名+超金管隊×4名+ドラム・じんぼちゃん×1名+バイオリン・Kanaco×1名+KATSU+atsukoと計16名! クラウンの3人を加えると19名! もちろん、angela史上最多人数だ。そして次の曲がラストナンバー、笛とタオルが必要なあの曲……となればアレしかない。そう、『Shangri-La』!渋谷で、新宿で、そして大阪で……2005年、回し続けてきたタオルのタオル回し納め・笛の吹き納め・騒ぎ納め&踊り納めとばかりにステージも客席も盛り上がる。
atsuko「ありがとーございましたーっ!」
17+2曲を演奏し終え、みんなに手を振って去っていくangela。鳴り止まない拍手と歓声の中、スクリーンが静かにステージを覆い隠していった……
「もう一回・YES!」「もう一回・YES!」USAバージョンだかJAPANバージョンだかわからないが、とにかくアンコールを求めるみんなの歓声は、ライト落とされ、ステージが暗くなっても止まることを知らない。やがて聞こえてきた優しくも力強いイントロは、angelaの最新シングルであり『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』のエンディング主題歌・『Peace of mind』のイントロだ。angelaがかける冬の夜の魔法……ステージを覆ったスクリーンには降りしきる雪、寄せては返す波、星の海に浮かぶ地球……atsukoの歌に乗せて、幻想的な光景が次々と映し出される。
atsuko「どうもありがとー!! 何かね……英語習ってるとか言ってるけど、日本語もロクに喋れないのにいいのかな?って思います。ホントに今日は、感謝の気持ちをみんなに伝えたいなって思ってたんだけど、それが『ホントにありがとう』とか『すごくありがとう』とか、簡単な言葉でしか表せないのがすごく悔しくて……もっと、心の中をパカッと開けて、みんなに見せたい気持ちで一杯ですけど……そんなangelaですけど、ホントに今日はありがとうございます!」
3年前の渋谷O-eastから今日まで色々な葛藤の中で成長し、ここまで歩んできた、その思いをみんなに告げるatsuko。
atsuko「(会場に来てくれる全員、みんながホントに楽しい気分になってもらうためには、自分がもっと強くならなきゃ……と思ったけど)でも、そんなこと1人ではできないし、何もかも背負ってしまったら辛くなるでしょ?そのために、みんなにも家族や友人や、周りの人たちがいるし……私にもメンバーがいて、スタッフがいてみんながいて、隣りにKATSUがいるから、こうしてココに立っていられるわけで……こういう瞬間があるから、私は頑張っていけると思います。みんなホントにありがとう!」
atsukoの言葉に、今日一番暖かい拍手で応えるみんな。いつもそうやって支えてくれるみんな、まだまだangelaの歌が聴きたいというみんなへのangelaからの意志表示でもあり、アンコールへの感謝を込めて、贈るナンバーは『DEAD SET』
3時間を超えるangela史上最長のステージも、次の曲でホントにホントに×6、最後の曲。今日の出演者全員がステージに勢揃いしてのナンバーは、
atsuko「この曲を歌わないと終われない!もうわかってるよね?2006年へのbrilliant road!」
1年の締めくくりにangelaが選んだ曲は、angelaとみんなを結びつけた記念すべき曲、『明日へのbrilliant road』。外は寒い2005年の冬だけど、今年残ったエネルギーを燃やし尽くさんと、メンバーもファンのみんなも一体となってホールの温度を上げまくる。
atsuko「みんな最高です!! みんながいつも最高でいられるように、その前にangelaが最高でいられるように、2006年も羽ばたいていきたいと思います。ありがとうございました!」
オープニングで登場したボックスが、いつの間にか再び壇上に現た。atsukoとKATSUがその中に入ると静かに蓋が閉じられ、楽しかった夢のようなミュージック・ワンダー★大サーカスはこれにて閉幕。みんなのパワーと愛情に押し上げられ、どこまでも高く・遠く飛翔し続けるangela、2006年にみんなと出会えるその時まで、今日の日の思い出を大切に抱いて……お休みなさい……
 
――今回のは音楽だけではなく幕間のショーやオープニングの寸劇など、内容的に盛り沢山なライブでしたが、準備も大変だったのでは?
atsuko「私とKATSUが『やりたい!』って言ったことを、実現させてあげたいっていう方向でスタッフのみんなが動いてくれましたね〜。OPの人形も、市販の物だといいのがないからっていうことで新たに作ってくれたし……。私の衣装も、お客さんがそこまで気づかないかもしれないけど、その人形と一緒じゃないとやだ!とか、できるかわからなくてもとりあえず言ってしまうんですよ。だから、周りも徹夜してでも実現しようとしてくれて。そういう点ではスタッフの人たちに助けられまくりでしたね」
――時間的にもangela史上最長記録更新で(約3時間40分)。
atsuko「ねぇ。曲だけだと2時間半くらいなのに。ライブ中は、MCが長くなってるとか自覚症状が無いんですよ(笑)。始まる前は『今回、MC短いから』って毎回のように言ってるんですけど、メンバー紹介だけのはずのMCなのに、『みんなどこから来たの?』とか始めちゃう」
KATSU「舞台監督さんがインカムで次の曲の準備を指示して、他の人は今か今かと出番を待っているのに、『おいおい、質問タイム入っちゃったよ〜』とか(笑)。裏は大変みたいです」
――これを読んだ人は、angelaのMCが台本じゃなくてガチだということがよくわかったと思います。今回のライブには、『ミュージック・ワンダー★大サーカス』(以下『大サーカス』)というタイトルが付けられてましたが……
KATSU「ストーリーっぽいステージがやりたいと思って。今回が『大サーカス』の一回目……angela、勝手に毎年やるって決めてるんだけど……ストーリーとかコンセプトが毎回あって、と。そのコンセプト的なものっていうのは、『サーカスをやる』んじゃなくて、『サーカスに行くときのドキドキワクワク感とか、見終わった後の面白かった印象』っていうのがあればいいな……という感じで。で、今回はおもちゃ箱をひっくり返すと、中から色んなオモチャと一緒にangelaが飛び出して……ということがやりたかったんです」
――それは誰のアイディアで?
KATSU「言い出しっぺは僕かもしんない。最初は、ステージに箱を組んでいって、それが爆発するとangelaが出てくる、みたいな」
atsuko「そんなのプリンセス天功かD・カッパーフィールドじゃないとできねーよ!さすがにそれは勘弁してくれ、ということで」
KATSU「結局、ああいう登場に」
――そうすると、今後も手を変え品を変え『大サーカス』みたいなライブは、また有り得ると?
atsuko「色んなものを盛り沢山にしてしまうのはangelaの傾向としてよくある事ですが、3月からのツアーでは『まず、音楽をやろうよ』と思ってます。全国を回るような場合は音楽に重きを置いて、『大サーカス』みたいなお祭りイベント的なものは年末にやって……みたいな住み分けが出来ればいいな、というのは漠然とありますね、」
――12月29日のステージで、今現在、一番覚えているっていうことは?
KATSU「セットがでかかったなぁ、とか……超魔術を失敗したのは痛かったですね〜」
atsuko「私、着替え中で見てなかったんだけど、マジで失敗したの?」
KATSU「マジで。自分のプロフィールに超魔術って書いてあるから、『大サーカス』をやることになったら見せよう!と思ってたんだけど、イザやってみたら……演奏でトチった時よりもびびった」
――ぜひ、次回の『大サーカス』でリベンジを。
KATSU「次回……やるのか〜!?」
atsuko「私はですね、出演者の人数が多かったじゃないですか。ダンサーさんみんなの名前をちゃんと覚えたつもりだったのに、イザ本番になってメンバー紹介で『今回初めてangelaに参加してくれた……』って後ろ向いたら、顔が分かんなかったんですよ(笑)!」
KATSU「リハを散々やってきたから、名前と顔は一致してるのに……」
atsuko「リハはノーメイクだったから、髪を作ってメイクした姿をパッと見ると……誰?と。たぶん、あの間をお客さんは私が名前を忘れたんだろうな、と思ったかもしれないけど、そういうワケで私は一瞬頭が真っ白になってました。あの時が自分的には一番ヤバかった瞬間かな」
KATSU「あそこまで変わると初対面ですね。あと、嬉しかったのは厚生年金会館の職員の方が、angelaのストリートライブ時代のCDを、サイン下さいって持ってきてくれたんですよ。ライブの後で楽屋に帰ってきたら見たことのあるCDが置いてあって、見覚えあるな……と思ったら、angelaが初めて自分たちで作ったCD-Rで、しかも、段々進化して何バージョンもあるうちの最初のだったんです。初めて代々木公園でやった時の、30枚くらいしか作ってない」
atsuko「私も持ってないヤツ。いわゆる初号機」
KATSU「それで、厚生年金会館の事務所にダーッと行って、『すいません、このCDにサイン頼まれたの、どなたですか?』と聞いたら、そこにいてくれて、『コレ、もしかして……?』って訊いたら『待ってました。いつか来てくれると思ってました』って」
――お互い、信じてここまで来たという感じで。
KATSU「『やっとここまで来られました』って……。アメリカでも、コンベンションに来てくれた人が同じ頃の写真持ってきたりしたんだけど……朝から晩まで代々木公園でストリートライブやって、CDが3枚売れるか売れないかくらいの頃の……その時もそうだったけど、ホントに嬉しかったです」
atsuko「つながってるもんだな……って思いましたね」
――まさに超魔術のような出来事で。KATSUは幕間に超魔術を披露したわけですが、atsukoが見せたパフォーマンスについては?
atsuko「KATSUが超魔術なら私は何をやろう?っていうことで、一ヶ月くらい前に『こういうパフォーマンスがあるんだけど』という話を聞いて、『いいね、やるやる』と軽く決めちゃったんですよ。その数日後にビデオを見て、『やっぱムリ。覚えらんない』と大後悔。ちゃんと振付を細かく教わって、ビデオ渡されて……でも、結構ギリギリにならないと練習しないんですよ、性格的に。そろそろ練習しなきゃ……と思い始めたのがライブの10日ほど前なんだけど、ちょうどその時カゼをひいてしまいまして。『やばい、このままだと私は何も覚えられないまま本番を迎えることになる』って、熱でリハも出られないような状態なのに、家で振り付け練習してました(笑)。あの時ほど、自分の性格を憎んだことはなかったですね〜」
KATSU「あと、幕間にも出てくれたクラウンさん。6〜7年前にあるイベントで知り合ったんですけど、そこで僕、初めてクラウンという職業があることを知ったんですね」
atsuko「控え室が一緒だったんですけど、すごく面白い人で」
KATSU「『KOTA』さんっていって、一度インディーズの頃にワンマンやった時に出演してもらったんだけど、小さなライブハウスのステージじゃ、本領発揮出来ないという気がしたんですね。なので、今回『大サーカス』が決まった時に一番最初に連絡を取ろうと思ったんです」
atsuko「連絡先がわからなかったんですけど、インターネットで検索したらすぐに見つかって。メールしたら、『やりますよ〜!』ってすぐに返事がきて」
KATSU「で、どんな事やろうか?と打ち合わせしたら、アレもできる、コレもできるって面白いことをどんどん出してくれて。だから、今回見せてくれたネタっていうのは、KOTAさんの持ちネタのホンの一部なんです。残りは『大サーカス』第2回でやろうよ、と」
atsuko「次回はまだ全然決まってないのに、KATSUの中では既にケテーイらしいです」
――でも、そういう意味でもangelaを中心に色んな人のアイディアと力が集まってできた『大サーカス』だったわけですね。
atsuko「そうですね。つながりが無ければできなかった、みんなに助けられたな……と思いますね」
KATSU「うん、お客さん・ファンの人も含めて、エンターテイメントっていうか、お祭り的に盛り上がれるステージっていうのを、これからもやっていければいいですね」
(2006年1月某日 キングレコードにて)

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