angela

Special

 3月21日の仙台から始まり、名古屋、大阪、福岡と全国4都市を巡ったangela初の全国ツアー「angela First Tour 2006 PRHYTHM」。その長く短い旅の終幕を飾るのは、昨年3月に開催された「a列車で行こう!〜angela全曲ライブ」から1年ぶりとなる東京・渋谷の大型ライブハウス「SHIBUYA-AX」だ。4月8日の午後6時から始まった興奮と感動に彩られたライブの模様を、フォトレポートという形で体感してもらいたい!
 
ツアー中、持ち回りだった開演直前に放送される前説(ライブの注意)だが、今回の担当はatsuko。エヴァやらナデシコやらガンダムネタ満載のトークに、1500人以上のangelaファンで溢れる会場は爆笑に包まれ、あとは開幕を待つばかりの状態に。

暗闇の中、グリーンの光に包まれたステージをatsukoとKATSUのシルエットが幕を透過して映し出される。手拍子、歓声。そして、atsukoが歌い上げる「Forget everything」。幻想的なその光景に、圧倒されたかのようなファンの心にatsukoの呼びかける声が響く。
「行くぜ! ツアーファイナル!! SHIBUYA-AX!!!」
その瞬間幕が落ち、照明がステージを眩しく包み込む。
そこには、弾けるように躍動する2人の姿が! パープルの衣装をまとったatsuko、そしてグリーンのノースリーブシャツに、フサフサ付き白ズボンのKATSU。「fly me to the sky」「明日へのbrilliant road」、そして「solitude」と、アグレッシヴなサウンドの連続に会場のボルテージはいきなりマックスな状態に。
曲が終わると万雷の拍手と、叫び声にも似た歓声。
「こんばんキーン! 『angela First Tour 2006 PRHYTHM』ツアーファイナル SHIBUYA-AXへようこそ! 今まで全国4カ所をまわってきて、ようやくファイナルを迎えることが出来ました。本当にありがとうございます」
興奮冷めやらぬといった会場のファンに笑顔のatsukoが挨拶。ついに全国ツアー最終章が始まった。

 
「今日の目標はMCを長くしないってことなのね(笑)」
とのことだったが、angelaライブの楽しみは、歌だけじゃなく、そのウィットに富みまくったトークにもあるということで、早速ツアー秘話に華を咲かせると、続いてangelaがテーマ曲を担当し、アルバム「PRHYTHM」にも4曲が収録されている「蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT」に話題はシフト。
「DVD見た? オレもう6回見たよ(笑)。毎回見るたびに新しい発見があるのよ」
とKATSUが熱弁を振るうも、微妙な会場の雰囲気に
「あれ? みんな付いてきてない?」
とちょっと寂しい表情(笑)に。そんなKATSUをフォローするように、次の曲は「蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT」のメインテーマ「Peace of mind」。やさしいatsukoの歌声が会場を包み込んでいくとともに、感動のさざ波が皆の心を揺らし、涙ぐむ観客の姿も。続いてはうってかわってハイテンションな「未来とゆう名の答え」「ラヴ・ランデヴー」、さらに「年下未知数脳内HD」と、「PRYTHM」収録の4曲を熱唱。さらに今回のツアーでは各会場毎にこのパートでは違う曲を歌っていたというangela。今回の東京会場でセレクトされたのは「謝罪状況」。会場中を色とりどりの大きな風船が舞い上がる中、明るいポップな曲にノリノリのatsuko&KATSU。さらに「Stay with me」では、ポンポン片手にステージを駆け巡るatsukoに会場も大いに湧き上がった。
 
ここで一回angelaの2人はステージアウト。幕間でも、angelaライブは飽きさせない。サポートメンバーである超リズム隊、超金管隊が入れ替わり立ち替わりハードなサウンドで会場を盛り上げ続ける。中でも今回の目玉は超ストリングス隊ヴァイオリンのカナちゃん。おもむろに弾きだしたのは「光る風を追い越したら何が待っているのかな〜♪」 でお馴染み「ハッピー☆マテリアル」。KATSU曰く「国歌だし(笑)」というこの曲に、会場は大合唱&手拍子で大盛況。そのままの勢いで中盤戦へと突入していくことになる。

まず黒と銀のエッジの効いたスタイルでKATSUが再びステージに登場。ソロでエレキギターを奏で上げると、続けてatsukoがステージに現れる。心に迫る歌声で歌うのは「EMOTION」。この曲を皮切りに観客はさらなるディープなangelaワールドへと潜行していくことに。
 
それはそれとして、まずはトークセッション(笑)。KATSUが話題にしたのはatsukoの「晴れ女」っぷり。この日もKATSUが会場入りした午前中まで雨だったのに、atsukoが入った午後1時には雨がやんでいたという事実を検証。かつて代々木公園での路上ライブでの、台風すら避けたという晴れ続き伝説などを披露。この件についてatsuko曰く「天気も才能!」との言葉に会場は爆笑。さらにファン倶楽部『gelamily』の会報に付いているKATSU謹製のスゴロクがどれだけゲームバランスに問題があるかをatsukoがしみじみと指摘するなど、どんどん話題もディープな方向に(笑)。さらにangelaがパーソナリティをつとめるラジオ番組「sparking!talking!show!」が2人の故郷岡山の山陽放送にネット拡大ということで、会場からはおめでとうの声が。ただ、CMの「銀髪の桃太郎、KATSUです」「岡山が産んだ奇跡、atsuko」という紹介には微妙な空気が流れたりも(笑)。

 
順調にトークが長くなったということで、歌へ。「PRHYTHM」から「Decide」「翼」、そして「in your arms」と続くatsukoの歌声に、トークと歌のメリハリの効いた観客を飽きさせないステージ構成の巧さを感じさせる。生バンドの迫力のサウンドに、ステージを所狭しと舞い踊る4人組の「超踊り子隊」も大活躍。会場には観客のみんなが振るangelaグッズ・七色に光るサイリウム「プリズム光線」の光が揺れ動き、期せずしてangelaとバック、そしてファンの心が一つになっていく。ステージと観客との心の繋がり。これもangelaのライブならではの楽しさであり特徴といえるだろう。
 そしていよいよ後半戦。そのスタートは「DEAD SET」。ヘビメタをイメージしたという曲なだけあって、いきなりメーターを振り切るようなatsukoの首振りアクションと、轟くサウンド・ヴァイブレーションに、会場は異常な盛り上がりへと変わっていく。そして「cheers!」に続き、クライマックスはアニメ「機動戦艦ナデシコ」の主題歌をカヴァーした「YOU GET TO BURNING」。興奮が最高潮にまで達した会場のファンめがけて、KATSUがお馴染みの水鉄砲攻撃を敢行。大歓声に包まれたまま曲を歌いきったatsukoはマイクを持った手を高く差し上げ、そしてラストジャンプ。拍手鳴りやまぬ中、angelaの2人とメンバー達は笑顔を見せながらステージを去っていった。
 5分を超える地響きのようなアンコールを受けて、再びatsukoとKATSU、そしてメンバーがステージに登場。みんな色違いだが「angela PRHYTHM」のマーキングがあるおそろいのTシャツだ。
 
ここで恒例メンバー紹介。今回のポイントは2点。ドラム担当の超リズム隊じんぼちゃんが誕生日ということで、会場のみんなとともに「ハッピーバースディ」を大合唱。花束をatsukoからもらったじんぼちゃんは、満面の笑顔で「ホントに何も聞いてませんでしたが、ありがとうございます!」 と大きな声で感謝の言葉を言った。もう一点は、このツアーから加わったベーシストの新メンバーであるSOMEちんに、ちゃんとした新しい名前を付けようというもの。「愛・地球博」を知らなかったり、福岡ライブでの前説で「場内(じょうない)」を「ばない」と読んだり、といったツアーでの逸話を元にatsukoが今まで上がった候補を色々上げるのだが、どれもこれも放送禁止かスレスレなものばかり。でも最後には、KATSUがフォローを入れて、その誰の心も和ませてくれる空気をまとった人となりを表す「ユウキ」という名前に決まった。
そしてatsukoからKATSUの紹介。
「angela結成して14年目になるんですが、これだけ長くできたのも、私がエライから……違うか(笑)。私の頼れる相方であり、支えられました……KATSU!」
というatsukoの言葉に、照れたような表情のKATSU。さらに会場のファンから「KATSUお兄様〜」の声援と拍手。となればこれも恒例のあのコールで盛り上がる。会場のファンと一緒の「ジーク・ジオン!」13連発。さらに今回はこれにもアンコールがかかり、メンバーの演奏と共に段々スピードが増していく20連発「ジーク・ジオン」コール。あまりのヒートアップぶりに、全てを出し切ったというような清々しいKATSUの表情が印象的だった。最後にatsukoが自己紹介して、他のライブではあり得ないほどに盛り上がったメンバー紹介は終了。

 
そろそろ本当にライブもラスト。タオルを使うあの曲の振り付けを、名古屋でのライブに続き、この東京会場でもエッチ声のatsuko先生バージョンで解説。ピンクの照明に照らされたatsuko先生のエッチな雰囲気の振り付け指導に会場のファンは大ウケだった。 そしてスタートするのはお待ちかね「Shangri-La」だ。atsukoの歌が響き渡る中、会場をタオルが乱舞する。さらに間奏中のホイッスルタイム。atsukoの吹くホイッスルに合わせて、会場からのファンも一斉にホイッスルを鳴らす。盛り上がりは頂点に達し、そしてatsukoと会場のファンが一緒になっての合唱。最後に会場を皆が投げた多数のタオルが舞い上がった。
「サードアルバム『PRHYTHM』は、みんなにとって、背中をポンと押すような、追い風になるような、そんなアルバムになればいいなということで作りました。背中をポンと押すようなという表現をするけど、私自身『PRHYTHM』を聴いていて、押すというより、前に突き飛ばされるような感じを受けてます」というatsuko。感無量といったその言葉を受けて「人の背中を押したりというようなことは、音楽なら出来ると思うんです。音楽でしか出来ないことであると思うんです。『PRHYTHM』は応援歌がテーマだったんだけど、この曲を聴いて元気になった、頑張れたという話を聞くと、僕も自信が持てました。」
とKATSUが語る。
そして最後に感謝を込めてのatsukoからの言葉。
「ツアーでファンのみんなの笑顔を見てホントに私たちにも、自信になったし、いい経験になりました。初めてのライブツアーでプレッシャーを感じていたんですけど、どの会場でもファンのみんなが笑顔で暖かくて、『ココはホームだぁ』と思って……。やってみて色々なことが開けたっていうのを実感できたツアーでもありました。ありがとうございました」

 
そして、心を込めて歌う「果て無きモノローグ」。その歌声に、会場は感動に包まれていく。静かな余韻を残し歌が終わると、会場からは溜め息と共に拍手が湧き起こった。最後の曲はこの日20曲目。これが本当のラストソングということで、名残惜しそうに観客とatsukoが「終わりたくなーい」を連呼するのを、KATSUが一言、
「angelaが一歩を踏み出さないことには、みんなも一歩を踏み出せないんだよ」
あまりにも格好いいその言葉に、会場から大きな歓声と拍手が。atsukoも
「今このステージを締めてこそ、次のステージに行けるんだよね……」
そう言うと、しっかりと顔を上げて、心を決めたようなそんな表情を浮かべる。
ここまでで「PRHYTHM」に収録された曲の中で、歌っていない曲というと、「Yell for you」。この直球勝負の応援歌であるこの曲に、今のangelaが持つ全ての思いを込めて歌い上げていく。ゴール前のラストスパートとばかりに、盛大に盛り上がった観客の大きな声援と手拍子、そして一緒に大合唱。
「辛いことや悲しいこととか、凹むことはたくさんあるけど、こういう瞬間があるから、みんながこうして集まってくれるからangelaはこうしてやっていけるんだなということが嬉しいです」
「Yell for you」を歌い終えたatsukoが、耐えきれなくなったかのように、涙を見せながら観客の一人ひとりに感謝の気持ちを表して挨拶の言葉を紡ぐ。
「この先もみんなに素敵なお知らせが出来るように、魂を込めて曲を作っていくので、皆さん待っててください。今日は皆さん、本当にありがとうございました!」
そして、KATSUが
「セカンドツアーはもう一回り大きくなって、またやるからな! 待ってろよ!! ありがとう!!!」
と大声で絶叫!
鳴りやまぬ歓声と拍手の中、この3時間を超えた東京公演をもって、長くもそして短かったangelaの全国ツアーは終幕を迎えた。その無限に広がる可能性とこれからの活躍を予感させてくれる、笑いと興奮、そして感動を与えてくれたライブだった。多くのファンに支えられ、さらに大きく羽ばたこうとしているangela。彼らから、これからも目を離す事は出来ないだろう。
 

© Copyright King Record.Co.,Ltd. All Rights Reserved.