angela

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 今年もついにその時がやってきた……。2005年から始まったangelaによる伝説のライブ『ミュージック・ワンダー☆大サーカス』。そのライブが3度目となる今年、さらに大きくスケールアップ。新宿の厚生年金会館から東京・中野にある中野サンプラザの大ホールに舞台を移し、「angela の『ミュージック・ワンダー★大サーカス 3rd』〜ブロードウェイ ファイター〜 同時上演:ドメラバの大暴年会」が開催されることとなった。今回は、2008年の12月29日に、超満員のじぇらっこたちが熱く燃えた、この奇跡のようなライブの詳細をレポートしていきたい!
 ライブ前に特有の期待感と高揚感の入り交じったざわめきの中、おなじみクラウンたちが投げ輪や皿回しといった大道芸を披露。そのたびにときおり大きな拍手と笑い声が聞こえてくる……それは昨年、そして3年前と同じ、一年の締めくくりとなる『ミュージック・ワンダー★大サーカス』の、開演前の風物詩といえる会場ホールでの風景だ。ステージのセットではサーカス小屋と観覧車、そして街並みの電飾が輝き、会場の空気が少しづつ暖まっていくのが、肌で感じられていく。

 そんな中、開演時間となる18時。ホールを照らしていたライトが一斉に消され、会場は真っ暗に。爆発寸前といった感じで、観客席のファンが息を呑む。次の瞬間、「overture」のサウンドとともに英語でライブスタートのアナウンスが流れ、ステージの薄い幕の向こうに、影絵となったatsukoとKATSUの姿が。

 イントロにあわせてステージの幕が上がると、その向こうから鮮やかな赤と黒の衣装でatsukoが、そしてKATSUが登場。記念すべき『ミュージック・ワンダー☆大サーカス 3rd』の1曲目として、大興奮の会場に響き渡ったのは、この秋から放送されangelaが主題歌を担当したTVアニメ『屍姫 赫』のEDテーマである「My story」。疾走感溢れるサウンドに大歓声が巻き起こり、会場のテンションは早くもMAX状態。
 
さらに花火のような爆音とともに始まった「DEAD SET」では、激しいヘッドバンキングとともに、へヴィな歌声で客席の空気を煽りまくるatsukoが、激しく右手を突き上げ、さらに熱気を急上昇させていく。

atsuko「みんな元気ー! angelaでーっす!! 今日は最初から言っておくけど終電は間にあわないかもよー! 知らないからねー! ……そんなわけでですね、スタッフサイドからあんまりしゃべるなと(笑)」

KATSU「今日は最初に宣言されましたからね。長いと困るよって(笑)」

atsuko「で、今日はホントに驚きなんですけど、今年最初で最後の単独ライブになります。ライブしたいなと思ってたら年末になっていました(笑)」

KATSU「でも、今夜、今年の全てを詰め込みます!」

 
 大歓声と拍手の中、笑顔を見せたatsukoとKATSUは、ここで本邦初公開の『屍姫 玄』のEDテーマとなる「光、探せなくとも」を披露。いきなりのサプライズにファンは大喜び。続く「恋のfirst run」を歌い終わったステージ上の2人だったが、なぜかその後ろにまたスクリーンが降りてくる。「なになに?」と、慌てるatsukoとKATSUの視線の先にあるスクリーンに影絵となって映し出されたのはどこかで見たことのある5人組のシルエット。

愛子様「おや、こんなところでangelaさんじゃないですか。あたいたちもう出番まで待ちきれないんで、そろそろそこをどいてくんねーかな」
 

そう、彼らこそ、泣く子も黙る謎のバンド「ドメスティック♥ラヴバンド」(通称ドメラバ)だ。
5人のシルエットはもちろんボーカル家庭内愛子(愛子様)にギタリストZ-GATZ(ズガッツ)、ベースのブレイブ、キーボードの塩分、ドラムのcoji。
ライブの副題に『ドメラバの大暴年会』とあるのでおわかりの通り、今回は乱入ではなく自分たちが主役だとアピールしたいらしい。どうやらドメラバはangelaを、『ドメラバの大暴年会』の前座と考えている様子。そんなangela vs ドメラバがリアルタイム・トークで直接対決する貴重なシーンにざわめく会場だが、なんだかんだと所々に挟まれる小ネタの連発に会場は大爆笑の連続に。

 atsukoが「せっかくだし一緒にやろうよ」と呼びかけるものの、愛子様は「おっとそれは出来ない相談だな」と全面拒否。atsukoがスクリーンの裏側まで追いかけていったものの、ここは一時撤収とばかりに退散していってしまった。
そんなドメラバに「angelaのライブをジャマしないで欲しいんだけど(笑)」とatsukoが苦笑い。邪魔者がようやく消えたということで「それじゃあ、みんなお騒がせしてゴメンね。でもライブはまだまだ続くよ!」とatsukoの言葉で再びangelaのライブが再開。
ノリノリな「独り」「年下未知数脳内HD」「butterfly」と3曲を続けざまに披露。 ノリまくっている会場のじぇらっこたちが、赤と黒の服ばかりと気づいた見たangelaの2人は「全てが赤と黒! 今日のライブはね、(屍姫)『赫』と『玄』のためにあったんじゃないかと」(KATSU)「上手いこと言うね。屍姫やな!」(atsuko)とコメント。その壮観さにビックリといった様子をみせていた。そんな2人だが今年一年を振り返ってのトークコーナーに突入。

atsuko「えーっと、今年……ライブ1回でごめんなさい(笑)」

KATSU「はい(笑)。そんな2008年だったけど、結構いろんなことがありました。atsukoさんにとって、一番思い出に残ったことは?」

atsuko「ファンクラブで行った旅行が一番思い出に残っています」


KATSU「あの地獄の強化合宿だね(笑)。僕はですね、初の台湾ライブ。アウェイかと思ったんですけど、日本が大好きな人たちばっかりで、僕は『第3新東京市』と呼ぼうかと(笑)」  


軽く思い出を語ると、次はアコースティックスタイルで贈る「Darling」。今年出会ったいろんな人たちへの感謝の気持ちを込めて作ったというこの曲を、心をこめて歌うatsukoと、バンドのアンサンブルに観客はじっと耳を澄まして聴き入っていた。

ここでステージチェンジ。クラウンたちの登場に続いて、超踊り子隊が登場し軽やかなダンスを踊っていたが、そこに不意に黒装束の集団が乱入。その人数はどんどんと増えていき、やがてステージ全体を占領してしまう事態に。
なぜかアメリカの国旗とドメラバの旗を掲げて、「Yes! We can!」「Yes! We One!」そして「家族愛」の大合唱がわき起こる。そしておどろおどろしい音楽と照明とともに、さきほどシルエットだけだったドメラバがステージに登場。
 
愛子様「ついに、あたいたちの出番がやってきたぜー! てめーらボーっと座ってんじゃねーよ、やる気あんのか? 今夜はアニサマ以来だ。『ドメラバの大暴年会』へようこそ!」

 そうして始まったドメラバライブだが「The end of the world」「運命的LOVE引力」と続く、ドメラバ・アレンジのハードなサウンドに会場のファンもどんどんとのせられていく。
さらにステージではバンドメンバーに加え、14人もの黒一色のダンサーたちが激しく踊り、その熱波が客席を熱くさせていくようで、ファンの声援も大きく大きくなっていった。歌い終わりざまにニヤリと笑みをみせた愛子様だったが、不意に背後のスクリーンに、angelaの2人がシルエットで現れ、さらにどこかで聴いたことのある音楽が。ここでなぜかその2人がパーソナリティをつとめるラジオ番組「sparking! talking! show!!」がスタートし、angela vs ドメラバのトークバトル第2回戦がスタートすることに!

 「落ちてたヤ○ルトだけど、どうぞ」という、angelaからの微妙な差し入れを飲み干したドメラバのメンバーに、スクリーンに映し出されたシルエット姿のatsukoとKATSUは宴会芸募集をしていただろとツッコミ&挑発。最初はトボケていたドメラバだったが、なんだかんだで受けてたつということになり、会場からは忘年会ばりのやんややんやの拍手が。その宴会芸とは「楽器のパートチェンジ」。
愛子様がキーボード、Z-GATZがドラム、ブレイブがギター、塩分がベース、そしてcojiがボーカルに挑戦という、普段なら絶対見られないレアな編成に。Z-GATZのドラムはなんと17・8年ぶり、愛子様のキーボードも作曲の時にピアノを使っているけどというぐらいで、これには客席からどよめきが。それでも演奏が始まると、Z-GATZはなかなかのスティック捌きを見せ、愛子様のキーボードも様になっている雰囲気。さらにcojiの調子っぱずれな「ドメラバ風キラキラ星」に会場のファンは大喜び。そのチャレンジに大きな拍手と歓声が贈られていた。

 ラジオ番組が終わると、「俺たちの新曲を聴かせてやってもいいんだぜ」とドメラバの新曲「separation」を披露。バンドメンバー紹介に続いて、さらに「Shangri-La」を歌おうとするが、ここでなぜか苦しみだすドメラバのメンバーたち。どうやら先程angelaからもらった飲み物に一服盛られていたらしく、倒れて悶えていたメンバー全員が「Yes We Can……4649」の遺言を残して全員ステージの真ん中で動かなくなってしまった。静まりかえる客席だったが、やがてダンサーたちやパフォーマーが扮する通行人たちがステージ上で倒れるドメラバを素通りしていく小芝居が始まると、笑い声が。

さらにここで照明が暗転しスクリーン映し出されたのはキングレコード提供のニュース「MWC NEWS」。atsuko演じる女性アナ「アツ井クリステル」と、KATSU演じるスペシャルコメンテーター「KATSU山教授」の微妙な掛けあいで始まったこの番組で、今まさに目の前でおこったドメラバの「犬死」ニュースが紹介されると、会場は大爆笑に包まれた。
 
 
 ここまできてようやくライブは中盤戦。
ピアノで奏でられるイントロに続いて、着物をアレンジしたような和テイストの衣裳でatsukoとKATSUがステージに再登場。歌うのはTVアニメ「屍姫 赫」のOPテーマ「Beautiful fighter」。ステージ上のセットから炎の柱が吹き上がる中、日本刀での「殺陣」も披露したatsukoの姿はまるで「屍姫」のヒロイン・星村眞姫那を彷彿とさせる雰囲気。これには会場のじぇらっこは大盛り上がり。
続けざまに歌うのは「明日へのbrilliant road」。歌声にあわせてファンはおなじみの振り付け。こうして一気に、会場のファンとステージの興奮と感覚が一つになっていく。
羽のような白いドレス姿へすばやくチェンジして、トークは「蒼穹のファフナー」のトリビュートマキシシングルとして書き下ろされた「約束」へ。

atsuko「12月25日に新しいシングル『約束』を発売したんですが、昨年の『ミュージック・ワンダー☆大サーカス 2nd』でみなさんに約束した4枚目のアルバムが、出せてないということで(笑)。約束を守れずすみませんでした」

KATSU「すみませんでした!」

atsuko「だいたい出来てるんだけど」

KATSU「半分チョイは終わっていまして。発売日ですが、残り一曲ぐらいで完成というところで決めようかと思ってます。2009年中には出します」

atsuko「約束です」  
 
そんなangelaの2人が歌うのはその新曲「約束」。シングルのジャケットを思わせるような影絵が映し出されたスクリーンをバックに、静かに心に込めた気持ちを歌い上げるatsukoの歌声が会場を優しく満たしていく。
途中でマイクを使わず、直接歌声がファンの魂へ届けとばかりにアカペラで歌い始めるatsuko。心と心を直接繋げるような、そんな歌声に込められた想いが会場全てのじぇらっこの心に届いていく。
さらに「もしも『蒼穹のファフナー』セカンドシーズンがあったとしたならば、この曲を主題歌にしたーい!」と叫びatsukoが歌ったのは「innocence」。今のangelaが作り上げたらこうなるというファフナーの主題歌の熱唱に、ファンは大盛り上がり。  

ここでなんとangelaのライブ史上初のゲストが登場。
初めてatsukoがミュージカルに挑戦した「イル・ミュージカーレ」で共演した高島みほと、KATSUが音楽プロデューサーとして初めて仕事をしたTVアニメ「薬師寺涼子の怪奇事件簿」で音楽を担当していた倖山リオがステージに姿を見せると、会場からは大きな拍手が贈られた。
atsukoと高島、そしてKATSUと倖山のお互いの出会いなどのエピソードが紹介された後、「初めてatsukoのステージを見て感動した僕と、同じ想いをじぇらっこのみんなに味わって欲しい!」とのKATSUの言葉とともにatsukoとゲストボーカルの高島みほ、そして倖山リオのピアノによるデュエット・ステージがスタート。ミュージカルでも歌った2人の美しいハーモニーによる「その目に」が響き渡ると会場のファンはうっとり。続いて歌ったのはTVアニメ「薬師寺涼子の怪奇事件簿」の主題歌「テーム・プランシパル」。しかしこの曲はatsukoが「驚きの5拍子」というだけあって、かなりの難曲だった模様。それでも2人は見事に歌いきり、会場からの大きな拍手にこたえていた。
 
 
 ようやくここでライブも後半戦に。ゲストコーナーに続いておこなわれたバンドメンバー紹介ではベースの染川裕紀のドンすべり一発芸に続いて、KATSUによるライブ恒例「ジーク・ジオン」コール……かと思いきや「諸君らが愛してくれたドメラバは死んだ。ナゼだ!(じぇらっこ:坊やだからさ!)というあの名セリフに続いての、「ジーク・ワン」コール。これには観客は大爆笑。「ジーク・ワン」コールからの「ジーク・ジオン」で、ステージと客席が再び一つとなる。そして話題は今年も参加した鈴鹿での8時間耐久ロードレースに。

KATSU「今年から『Team angela』が出来まして、8耐に参加、完走することが出来ました」

atsuko「そこでKATSUさんの男泣きという貴重なものが見れました。ライブでも泣いたことないのに(笑)」

KATSU「5月に行われた別のレースでライダーの『いっし〜』(石川朋之)に『鈴鹿8耐』に連れてってよって冗談っぽく約束したんですよね。その後、実際に8耐の参加が決まったんですが、参加してみるとまるで『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』のような壮絶なレースで。やがて完走しレースが終わった後、いっし〜が歩いてきて、『KATSUくん、約束は守ったよ』って言って抱きしめてくれたんですよ。男と男の約束を守っただけでなく、自分の夢に命を賭けている姿に、ポロッときちゃったんですよね。なので、来年も出たいな」  


そんな8耐の話が出たら、歌う曲はやはりangelaが、世界中のじぇらっこから詞を募集してチームの為に作った応援歌「パノラマ」しかないだろう。歌声と歌詞で優しく強く背中を押してくれるこの曲に、会場の熱気はまだまだフルスロットルといった状態。そのためラストとなる「fly me to the sky」を歌い大きく手を振りながらステージを後にしたatsukoとKATSUに、会場からは5分以上にもわたるアンコールが。
やがて会場を埋め尽くすファンの耳に聞こえたのは、なぜか死んだはずのドメラバ・愛子様の笑い声。

愛子様「あたいたちが死んで、屍姫にでもなったかと思ったかい! おめーらの声援で地獄の底からはい上がってきてやったぜ。おい、まだまだおめーらにつきあってやってもいいんだぜ」  
その言葉とともに、おなじみつなぎ姿のドメラバのメンバーがステージ上に勢揃い。「ドメスティック・ラブソング」「翼」を激しくヘヴィに歌い上、ここからはもうドメラバ・ワールドが全開のステージが展開されていく。

愛子様「さっきはちょっとした食あたりで一時は危篤状態、集中治療室まで運び込まれたあたいたちだが、地獄の底からはい上がってきてやったぜ。照れるけど言わせてくれ。おめーらに逢いたかったんだよ!」  
このツンデレな一言に、会場のじぇらっこならぬ「どめっこ」たちは大歓喜。しかしこんな楽しい時間も次の曲がラスト。

愛子様「哀しいぜ。だがいつまでも哀しくてやりきれなくったって、2009年はやってこない。2009年もあたいたちは高く羽ばたくために、この曲で……今度こそこの曲で終わらせてくれ」
 
そういって愛子様が歌い始めたのはさっきは途中で死んでしまったため途中で打ちきりになってしまった「Shangri-La」。巨大な黒い風船が幾つも会場を舞う中、怒濤のようなサウンドと愛子様の歌声に、会場のどめっこたちは一斉に拳を振り上げていく。さらにZ-GATZがサビの歌詞を絶叫。嵐のようなドメラバのステージは、「サヨナラは言わねーぜ!」の愛子様の言葉とともにエンディングを迎えたのだった。  
 
 
暴風のように去っていったドメラバ・ステージの興奮冷めやらぬ中、ここで2回目のアンコール。今度こそステージに笑顔で現れたのはライブTシャツ姿のatsukoとKATSUだ。「かなりの長丁場ですがみなさん大丈夫?!」と客席のファンに確認したatsukoの手にはホイッスルとタオルが。 この2つとくればもちろん次の曲は「Shangri-La」。 ドメラバに続いて、まさかの「Shangri-La」2連発に、会場は大歓声に包まれる。
頭上にタオルが舞い、ホイッスルが鳴り響く、ライブ恒例の「Shangri-La」に続けて、「gravitation」。この2曲のコンボを聴くとライブもクライマックスに突入、会場のボルテージも最高潮に。
 
KATSU「デビューする前に出会った人、今まで出会ってきた人、そして今日初めて出会った人。そんな人々との出会いを繰り返しながら、僕たちは少しずつ前に進んで、気づかないところで何かを見つけていっているんだと思います。2009年もangelaと一緒に居てほしい。そして一つだけ約束してください。来年もみんなの笑顔を見せてください!」  

angelaのライブを、熱く濃く彩ってくれたダンス&パフォーマンスチームが2チームにスペシャルゲスト、さらにクラウンまで含めて、ズラリと全員が並ぶとまさに壮観といった雰囲気の中、こんなKATSUの言葉とともに始まったのは、アップテンポで華やかな「cheers!」。atsukoやKATSU、バンドメンバーをはじめ、全員が笑い顔で楽しく手を振りながらの大合唱に、会場のファンも笑顔でこたえていく。
そんな中、歌っているatsukoの目に涙が浮かび、やがて声が震えてしまうが、そんな彼女を励まし、支えるように、じぇらっこたちの声援はより一層大きく強くなっていった。

atsuko「すごいみんなの笑顔が見れた。途中で泣いちゃって、ゴメン。ホントに嬉しかったです。なんでこんなに幸せな時間を過ごせるんだろうって思っちゃって。みんなと出会えてよかったです。デビューして5年半経ちますが、たくさんの方の力を借りてここまで来れました。みなさんありがとうございました!」

KATSU「ありがとうございました! angelaやってて良かったってことだね」  

客席からの手拍子とともに第九が響き渡り、すでにライブは3時間半を経過。こうして今年最初で最後となる単独ライブを完走したatsukoとKATSU。充足感に満ちた時間に大満足といった会場からの温かい拍手に包まれながら、全員が一列になって手を繋ぎ、感謝の挨拶。大きな拍手が続き、客席からの「笑顔!」のことばに、輝くような笑い顔をみせたatsukoとKATSUだったが、時間が押してる押してるとKATSUが言っているのにもかかわらず、ここでなんとatsukoが「もう一曲歌いたーい!」と無茶なリクエスト。
 これには会場のファンも大喜びだったりするのだが、ステージの袖で待機するスタッフ的にはなかなかそういう訳にもいかないといった様子。しかし、会場からの「もう一曲」コールは収まることなく、そのあまりの勢いをうけて、ついに許可が下り、atsukoの「もう一曲歌っていいって!」の勝利宣言に会場からは大歓声が。急に決まったラスト一曲ということで、なんの曲を歌おうかと相談を始めるatsuko&KATSUにバンドメンバーだったが、そんな彼らに会場からは「Yell for you」の大合唱が。そう、まだこの曲を歌っていなかったのだ!

atsuko「それじゃ、『Yell for you』で! すごい展開だよね? みんな終電大丈夫? 帰れなくなっても知らないよ! 時計は見ないで(笑)」

KATSU「じゃ、2009年に向かって!」

atsuko「みんなに『Yell for you』!」


 angelaもステージのみんなも観客も、最後の力を振り絞るようにしてのこのラストソングに身体を預けていく。atsukoの歌声に、KATSUの演奏にファンは元気をもらい、angelaの2人もたくさんのファンたちから元気をもらい、ともに手を取り合って2009年に向けて、未来に向けて、夢に向けて新たに走り出していく。そんな全ての人へのエールが強く優しく、心を満たしていくような、そんな気持ちになる『Yell for you』が、会場の全ての人の魂に響いていく。

こうして大歓声と拍手の中、本当にライブは終了。再びステージの全員が一列になり、「ありがとうございました」の言葉とともに手を繋いでのカーテンコール。やがて、atsukoとKATSUがセットの階段を上っていく。2人が手を挙げ指を振ると、スクリーンに魔法のように幻想的な影絵が浮かび上がった。

 ここでatsukoが「約束」のフレーズをアカペラで歌いながら、2人はスクリーンの向こうに去っていく。その歌声は聴く全ての人の心の中に様々な約束となって、深く静かに刻まれていく。そんな雰囲気の中、最後にシルエットとなった2人が、ゆっくりと向かい合い、そしてがっちりと握手を交わす。その瞬間、客席からは大きな声援が湧き上がり、そして終わることがないのではと思えるような拍手がいつまでも鳴り響いていた。

 こうして感動と興奮に包まれた全26曲+1曲、約4時間ものライブはエンディングを迎えることになった。angelaにとってさまざまなチャレンジに挑んだ2008年は終わり、新しいい可能性に満ちた2009年が始まる。活動の幅をさらに広げつつあるatsukoとKATSUのさらなる活躍とともに、熱くかたく交わしたじぇらっことの「約束」に2人がどのような答えを見せてくれるのか、そして4回目となる大サーカスはいったいどうなるのか、心弾ませつつ、期待していきたい。
 
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