「いっくぜー、SHIBUYA O-EAST!!」
藍ぽんのシャウトとともに幕を開けたステージで、1曲目を飾ったのは「ウレシ泣キ」だった。「ノナカロッキン!」というキャッチコピーでリリースされたこの楽曲は、文字通りのギンギンなロックナンバー。藍ぽんのパフォーマンスもまさしくロッカー風で、マイクスタンドを斜めに持って歌ったり、間奏でエアギターをプレイしたりと、いきなりボルテージは最高潮。続く「LOVE@MESSENGER」でも、「ハイ! ハイ!」と客席を煽るなど、威風堂々のステージング。3曲目「あ・り・え・な・い!」まで、どんどんテンションは上がり続けて、このまま最後までもつのか?と、こちらが心配してしまうくらい。
「今日は、リハーサルがかれこれ1か月間まるっと続いていまして、その成果を出すべく私はここに立っています。なので、スタンディングできついかもしれないんですけど、皆さんも最後まで自分の力で立ってください!」
最初のMCは、藍ぽんの力強い宣言と、とある報告が――。
「神田さん! お弁当は『金兵衛』でしたよ!!」
なんと、関係者席に来ていた神田朱未さんに向かって、まったく個人的な報告をする藍ぽん。のっけからいきなりの自由な空気に、会場にも思わずどっと笑いが起きる。神田さんには「よかったねー!!」と大きな声で返事をもらうという、微笑ましい一幕だった。
「今回はジェットコースターみたいになっていて、盛り上がったり、ちょっとしっとりしたり、また盛り上がったり、しっとりしたりという感じで、私も『はじめまして』の体験が多いので、みんなの『はじめまして』をもらったり、あげたりで、いい感じですね」
初めての体験にちなんで、3rdアルバム「ナミダノキセキ」の内容についても触れられる。
「3rd(アルバム)を出そうという話をいただいた時は、去年の神戸のスタチャドリームで納得いくパフォーマンスが出来なかったので、すごい悔しくて、自分が嫌になるようなことがあって、甘いピンクばかりの歌じゃなくて、『私だって凹むことあるもん!』と思って、ちょっと違うブルーなところを出せたらいいなと思って、アルバムを作りました。でも、そのブルーな面も『作ったブルー』にはしたくなかったんですよ。悲しい、悲しいだけじゃない、何かを伝えられたらなあと思って、今日はしっとりした曲もたくさん歌っていきたいと思っていますので、頑張ります! ではさっそく、しっとり行きますよ――」
しっとり系の曲を集めたブロックで、最初に歌われたのは「夜明けのチャーム」。続く「CACAO85」もそうだが、複雑な女心を綴った曲で、藍ぽんの表情も歌っているうちに思いつめたようなものになっていく。歌で上手に表現できないと語る藍ぽんだが、精いっぱいの歌声と表情からは、曲の世界がきちんとみんなに伝わっていた。軽快なメロディーの「アマノジャク」では笑顔の藍ぽんに戻り、思いのたけをぶつけていく。
「――以上、『素直になれない女たち』でした。『アマノジャク』ではPVも撮りまして、男の子のタロウ君の格好をしたのが、チェックをしている時に“てじな~にゃ”みたいに見えてきたんです……(笑)。そんな感じで、『ナミダノキセキ』のレコーディングをしました。楽しかったですよ、今回は。レコーディングがあると、いろんなところから取材を受けるんですけど、その時に『今回は笑顔ですね』と言われました(笑)。毎回、『次の目標は?』と聞かれるんですけど、『今は、次は考えられません』って……。アルバムが完成したら、それでいっぱいいっぱいで、次が考えられなくて、取材の方にいつもご迷惑をかけてすみません。この場を借りてお詫びさせていただきます」
いや、取材する側もそんなに気にしていませんよと、こちらもこの場でフォローを入れさせていただきます(笑)。
「でも今回は皆さんのお手紙に励まされて、『頑張ってくださいね』とか『「チアルーガ!」のラップの部分は斬新なアイデアだ!とか思って、頑張って面接行きました』とか、そういうお手紙をいただいて、負けてられない!と思って、今回頑張ってきました。じゃあ、話しすぎるといつもグダグダになっちゃうので、次に行きましょうかね。次は『アイぽんショー』から恒例となりました、アニソンメドレーです!!」
お待ちかねのコーナーが始まって、ここでまた一気に会場が大盛り上がり。割れんばかりの大歓声の中で歌われたアニソンメドレーは「神様との約束」~「強引niマイYeah~」~「絶世美人」の『さよなら絶望先生』リレーからスタートし、『ネギま!?』の「らぶ☆センセイション」、『ぱにぽにだっしゅ!』の「黄色いバカンス」、『魔法先生ネギま!』の「バカップル」へとつながっていく。中でも「バカップル」は“DROPS”としてリリースした、藍ぽんにとってもファンにとっても思い出深い曲。感慨もひとしおとなった、今回のメドレーだった。
|