ある日、東方院行人は、父親とのケンカをキッカケに、勢いで家出をしてしまった。
船に乗り込んだまでは良かったが、うっかり船から転落。
100年に一度級の大嵐に遭い、数日間の漂流の末、ここ"藍蘭島"に辿り着いた。
でも、この島、ちょっとヘン。・・・というのも、この藍蘭島は、女の子だけの島だった!!
行人を待ち受けていた、うらやましすぎる(?)運命。
―これは、島で唯一の少年のハプニングだらけの記録である。
 ぬしたちとの激闘のすえ、ようやく鍵を手に入れた行人は、すずとともに海龍様がいる龍神島へ到着した。 鍵で社の門を開け、海底洞窟への階段を降りる2人。だがそのとき、突如地震が発生。 危うく外へと逃れた行人たちだったが、地震の影響で社が崩れてしまい、中に入ることができなくなってしまった。 そこへ、手に何かをもったあやねが姿を見せる。それはなんと、海龍様のヒゲ。 行人を島から出すまいと、彼より先に願いを聞いてもらおうと海龍様のもとへ向かったあやねは、急に迫ってきた海流に巻き込まれてしまった。 そのとき、紐だと思ってつかんだ海龍様のヒゲが、抜けてしまったのだという。
 海龍様を怒らせたうえ、洞窟への道も閉ざされてしまった今、もはや自力で海を抜けるしかない。 そう思った行人は、海から舟を出してしまう。すずは最初、妹を助けようとする行人のためを思い、彼を止めることができずにいた。 しかし、沖で大波に巻き込まれそうになる行人を見たすずは、いてもたってもいられず、シャチのさしみを呼んで、自分を彼のもとへ連れて行くよう懇願。 そして、危険な大渦を越えて島から出ようとする行人を追いながら、せいいっぱい叫んだ。「行かないで」と。 それは、今まで我慢してきたすずの本当の気持ちだった。たとえわがままでも、行人とずっといっしょに暮らしたい。 そんな彼女の必死の思いを受け止めた行人は、すずに向かって力いっぱい身を乗り出し、手を差し出した。 だが、彼女がその手に触れようとした瞬間、行人の舟がついに大渦へと巻き込まれてしまう! はたして、彼の運命は……!?