白鐘沙羅…水橋かおりさん
白鐘双樹…門脇舞さん
――『フタコイオルタナティヴ』という作品の印象から教えていただけますか。
水橋 変わったなーっていう感じがすごく強くします。いろいろな雑誌の記事を読むと、ミステリアスという言葉が書かれているんですが、その言葉から受ける印象とはちょっと違うかも。
門脇 ファンタスティックですよね(笑)
水橋 うーん、ふさわしい言葉がまだ見つからない(笑)
門脇 『双恋』シリーズを通して考えると、今回のお話はかなりイメージが変わったなという印象です。
でも、すごく雰囲気があって――「オルタナティブ」の色があるというのかな。入り込みやすかったと思います。
水橋 ファンタスティックなんだけど、リアルなんだよね(笑)。あの街にみんな生きてるという感じがすごくするんです。メインのキャラクターだけじゃなくて、それこそ通りすがりのおじさんとかおばさんとかまで、ちゃんと“生きてる”気がします。
門脇 何が起きても、みんなさして問題にしてないところが、演じていてとても楽しい。あり得ないことが起きてるのに、あり得ないぐらいスルーしてるところが(笑)
水橋 舞台になるのはニコタマ――双子魂川という架空の場所なんですけど、下町っぽい感じがとてもよく出ていると思います。実際の二子玉川を私は知らないんですが、背景とかもすごく細かく描かれていて、本当にこういうところ、探せばありそうだなと思いました。
――今回お2人とも役の印象が前作とはかなり違っていますが、役作りでお互い気を付けられたことはありますか。
水橋 あんまり深く考えないことですかね。考えないというのは、人の意見を聞かないっていう意味じゃないですよ(笑)。この作品は、計算をするといけないような気がするんですよ。
門脇 シナリオを読んだ時の気持ちそのままという感じですね。本人たちも特に話し合ったりもしませんし。その場の呼吸で、演じてみてから考えてます。
――今作の主人公との関係はどんなものになるんでしょうか。
門脇 謎ですねー。
水橋 あまり深く考えたことないなー。
門脇 自然体に見えて、本当に自然なのか分からない人物ですね。
水橋 もしかしたら、なんか複雑な気持ちを抱えているのかなとは思いますが、まだ先の話は私たちも知らないので。今のところは、あっさりした感じです。逆に前の方が、恋愛という雰囲気があったと思います。今回はどちらかというと家族みたいな感じ。でも、もしも引き離されしまったとしたら、ボディブローのように効いてくるのは、こっちの方かもしれません。
門脇 『双恋』の時は、期限があったので結構必死って感じでしたけど、今回はのんびりですね。
水橋 甘えてるなって感じはするけれど、恋太郎に積極的にアプローチしようという姿勢は見えないかも。
門脇 ただ、私たちはもう5話を録ってしまったから、そういう感情になっているという部分はあると思います。やっぱり最初のころは、ちょっとした疑問やぎこちない風景もあったから、見ている人には恋愛しているように映るかも。
――5話以降は、家族のような雰囲気になっていくんでしょうか。
門脇 どうでしょう(笑)。私たちも、詳しいことは何も知らないんですよ。おおまかな流れだけで……。
ただ、そっち(恋愛)の方向に行っている時間はないんじゃないかなと思います。
水橋 プロモーションビデオを見た方から、お手紙をいただいたんですが、「楽しみです。水橋さんは死ぬ役は初めてですよね」って書いてあるんですよ。
えっ、あたし死ぬの~?って(笑)気のせいです。死んだりしません。

門脇 見ている方は、先をいろいろと予想すると思うんですよ。だけど、予想しても仕方ない作品って気がします(笑)。
水橋 たぶん、その予想はすべて外れますよね。私だって、今のとこ、すべて外れてるもん。
――最後に作品への抱負と視聴者のメッセージをお願いいたします。
水橋 演じている方はいい意味で何も考えてないので、見ている方たちも、いい意味で何も考えないでいてくれると嬉しいです(笑)。謎の部分が多い作品なので、どうしても伏線を探したり、先の展開がどうなるのか、深読みしたくなると思うんですが、1話ごと、シーンごとを楽しんでもらえたらと思います。音楽やグラフィックもとてもいいので、謎解きにばかり頭を使って、その辺を見逃さないように気をつけてください。
門脇 ミステリアスという前振りも、「フタコイ」のワナの第一歩じゃないかなと思ったりもするのですけども……。みんな、いろんな事を考えて、この作品を楽しみにしてもらっていると思います。たぶん、期待通りに裏切られる作品です(笑)。
水橋 いいね、裏切るの。大好きだよ、私(笑)。
門脇 演じている私たちもすごく楽しいし、たぶん皆さんにも裏切られる楽しさを感じてもらえると思います。
水橋 いいこと言うね。その通りで!
門脇 ふふふっ。作品のテーマは「3人でいたい」ということなので、双樹も前に行き過ぎず、 置いて行かれることもなく、一緒にその場所で物語を追っていけたらいいなと思っています。
二人 頑張ります!