GW突入直前、ドラマ「漂流ネットカフェ」の原作者・押見修造先生が、漂流先の「異界」ロケ現場を訪問した。原作の暑い湿地帯と違い、テレビドラマでは、鬱蒼とした樹海のようなところにネットカフェごと漂流する。「テレビで見たまま」のセットや衣装をまとった役者さんたちを目の当たりにして、徹夜明けの疲れも忘れた押見先生。キャストやスタッフに拍手で迎えられ、主演の伊藤淳史さんや、ヒロインのKIKIさんとしばし談笑した。
押見先生 「ドラマで伊藤さんの演技を見てから、漫画の方もひっぱられてしまうんですよ」
伊藤淳史 「僕は原作のある作品を演じることも多いので、そう言われるとすごく嬉しいです」
押見先生 「漫画の土岐は、ずいぶんと明るくなってきましたね」
ロケ地を案内する伊藤さん。天候に恵まれた当日…ロケ地はもっと冬枯れていたらしい。
伊藤淳史 「一ヶ月前とは全然違いますね。実は前回の撮影で撮り残したものがあるんです。その間に緑も伸びて、今回の撮影にどう繋げるのかと。一話のネットカフェのシーンでも、同じ店内のシーンを通路を挟んで右側と左側で別々の場所で撮っていたりするんですよ。撮影日も違って、ずぶぬれで店に入ってきたはずが、あれ?って」
ドラマ「漂流ネットカフェ」の裏話、ロケ撮影の醍醐味を、持ち前のサービス精神を発揮しながら、押見先生に披露する。

ドラマのヒロインに決定する前から、仕事場でKIKIさんのラジオを愛聴していたという押見先生。遠野果穂役を演じるKIKIさんについても、
押見先生 「ドラマを見ると、存在感があるので描く方もひっぱられますね」
KIKI 「漫画の果穂はとても格好いい。シリアス、色気もあって」
押見先生 「ドラマも格好いいですよ」
KIKI 「ドラマでは『やべっ』と言ったり、煙草を吸ってみたり。そうした言い回しや、ちょっとしたことでイメージをふくらませているんですけど…『鼻ペロ』のシーン、どうでした?」
停電にあった校内で、おもむろに遠野が土岐の鼻をなめる。土岐と遠野の出会いを象徴する大切なシーンで、監督も漫画原作を損ねないよう、アングルなど細心の注意を払った。
押見先生 「イメージ通りの『鼻ペロ』。言うことなしでした。実は中学時代、『鼻ペロ』ではないにしても、停電にあって同じような経験をしたことがあるんです」
漫画もドラマも、すべては押見先生のこの経験から始まった?

ドラマ「漂流ネットカフェ」では、ついに最終話の台本が役者さんたちに配られたばかり。
押見先生 「寺沢役はドラマでは性格がだいぶ違いますが、姿形はいいですね。原作にはない主婦役の今井さんも、漫画でもあってよかったかも」
KIKI 「原作の今後はどうなるんですか?」
押見先生 「分りません。書きながら、変わっていったりします」
KIKI 「でも、土岐くんはずっとダメそう(笑)」
押見先生 「しばらくかかりそうですね(笑)」
スタッフに紹介され、最初はてれくさそうだった押見先生。自身の作品の初のドラマ化。カメラを前に真剣に演じる役者さんたちを、日がかげるまで見守っていた様子が印象的だった。
「ようこそ!」と言わんばかりの“キメ”カット。
新緑に囲まれて、お2人とも笑顔が素敵です!
押見先生の訪問に、キャスト・現場スタッフ一同感激!
普段に増してなごやかな雰囲気に。
見事に再現されたセットを前に、伊藤さん、KIKIさんと記念撮影!
撮影開始当初はこんなに冬枯れていました…。
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