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川口敬一郎監督インタビュー

●OAD10巻の「みなみけ おまたせ」から監督を務めていらっしゃいますが、原作をご覧になった率直な感想を教えてください。
独特な雰囲気がある作品だなと感じました。
柔らかさというかなんというか、全体に漂う、いい意味でのゆる~い感じの空気。
基本は、本当にたわいのない三姉妹の日常生活の話なんだけれども、だからこそ、それぞれのキャラクターの個性がすごく際立って見えるな、と。
キャラクターの魅力が自然に活きているから、普通の話であっても、なぜか飽きさせない。
そういう部分が、貴重な作品だなと思いました。

●TVアニメ化するに当たって、どのような方針やイメージを考えられましたか?
とにかく、原作の雰囲気を大事にすることを最優先で考えました。
作品の中の空気をそのままアニメでも伝えたい、というのが、先ずありきで。
また、前シーズンを見ていなくて、今回のアニメから見はじめたという人にも、各々のキャラクターの性格や関係性がわかるようにすることも大事なポイントとして考えました。

●TVアニメ化に当たって大事にしていることは何でしょうか?
まず、まったり感ですかね。それがこの作品の一番大事な部分だと思っているので。
視聴者の皆さんに、せわしなさを感じさせず、心穏やかに、三姉妹とその周囲の人たちの日常を、あたたかい目で見守っていただくというのがポイントかな、と。
ちょっとした息抜きになるような、且つ、なんだか心がほんわかするような。そんなフィルムにしたいと考えています。

●アニメ新シリーズで新しく入れ込んだ要素や表現はありますか?
まず、挙げるとすれば、本編の補足部分でしょうか。
各話、各シーンにおいて、脇にいるキャラたちは、その時何をしてたのか?僕自身が、いち原作ファンとしてそれを見たかったし、描いたら楽しいだろうなと思いました。
どの部分が足されたのかは、是非、原作と見比べて確かめていただければと思います。
あとは、細かいところですけど、趣向を凝らした、遊び心満載のアイキャッチやエンドカードを作りましたので、そこも見どころになっていると思います。

●みなみけ三姉妹それぞれについての川口監督の印象を教えてください。
ハルカ
正直、出番は少ないように思えますけど、出てくると、ものすごく落ち着く。
ハルカの持ってる穏やかな空気が、なんとなく場を収めてしまうというか、安定感みたいなものを感じます。
そう思ってしまうのは、ハルカが姉でありながらも、時折、母親的な役割も果たしているからですかね。
「みなみけ」内で随一の癒し系なキャラクターだと思います。

カナ
一見、言動が小賢しいというか、小憎らしい感じなんだけど、そこがカナ独特の可愛さと表裏一体になっているので、そういう意味では、表現し甲斐のあるキャラクターだと思います。
なんだかんだいって、カナが結構引っ張ってくれている部分もあると思います。
トラブルメーカーっぽいのに、なぜだか憎めない…、むしろ愛すべきキャラクターという感じですね。

チアキ
小学生なのに、大人顔負けに達観してる部分があって。
かと思うと、やっぱり年齢相応のまだまだあどけない可愛いところも垣間見える。
そういう二面性が特に魅力的なキャラクターですね。
基本が冷静なチアキなので、タイプが正反対のカナとの組み合わせが凄くしっくりくる。
ただ、他のキャラクターに比べ、セリフの間がものすごく難しいなと感じました。

●最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
原作ファンの方をはじめとして、これまでのシリーズを愛してきてくれた方、今回初めて「みなみけ」に触れる方、どんな方々にも楽しんでいただけるよう、細心の注意を払いながら作っています。
原作の空気感を大事にしつつ、「みなみけ」のゆるいけどなぜかクセになってしまうキャラクターたちの魅力を存分に引き出せるよう、細部にまでこだわりを詰め込んでます。
きっと満足していただけるフィルムになっていると思いますので、今後も引き続きご期待ください!
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