さあ、『航海日誌』更新の時間だ!
いよいよ今夜から、tvkとキッズステーションで、
TV版『モーレツ宇宙海賊』の再放送がスタートします。
そこで、我らが佐藤竜雄監督から、
放送開始を楽しみにしてくれている視聴者の皆さんへのメッセージを頂いてきました~。
こちらです!
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モーパイ再放送!ということで各話の解説を頼まれました。
とはいえ、さすがに全26話、毎週毎週というわけにはいかない(絶賛劇場版の作業中!)ので、節目ごとのコメントでお許し下さい。
まずは第1話から第5話までの流れ。
従来のアニメの構成だと、とにかく1話はイベントを詰め込んでお客を惹きつけるというのが主流ですから確かに地味です。
タイトルが『モーレツ宇宙海賊』なのに、モーレツでも海賊でもない女子高生が部活をしてバイトをしているだけですから。
ただし今回、26話を通じて「加藤茉莉香」という女の子を視聴者の皆さんに大好きになってほしい、という狙いがありましたので、茉莉香は一体どういう子で、この子が海賊になりたいって言うんだったらしょうがないよなあ、と視聴している側に納得してもらえるような構成にしています。
原作だとポンと時間を飛ばして、既に華々しく営業ショーを仕切っている海賊船長・茉莉香の姿が冒頭に描かれますが、茉莉香役に新人を据えて、彼女の演技の成長と共に茉莉香を描くことを決めていましたので、あえて時系列を順番通りにしました。
普通の高校生が降って湧いた海賊の船長の後継者指名に当惑しながら学園生活を送り、やがて決断する──役者さんに茉莉香の成長を追体験してもらって演じてもらおうというわけです。茉莉香は一人乗りの宇宙ヨットは乗りこなせますが、格闘技が出来るわけでも、超能力を持っているわけでもない、ごく普通の女子高生です。
しかし、母親の梨理香は「お前には力がある」という。
その力──決断力の実際を周りが認め、彼女に惹かれていく流れはかなり気をつけています。
主人公だからみんなの中心にいるのではなく、彼女だからこそ中心なのだと感じられるように。
こういう話はややもすると理由も無く周囲の登場人物が「主人公すげー」「茉莉香すげー」と誉めまくる展開になりがちなので、宇宙海賊になるまでを5話かけて描きました。
この辺り、かなりの賭けだったのですが、茉莉香役の小松未可子さんの急成長ぶりと相成って、みんなに認めてもらえる加藤茉莉香になったと思います。
本作の売りは、茉莉香を初めとするキャラクター勢のにぎやかさと共に、弁天丸やオデット二世、そして電子戦などのSF的要素です。
身構えることなく、ごく当たり前にSFガジェットに囲まれた世界。電子戦はこれまで「地味」だし「よくわからない」ので何となく避けられていたジャンルの戦闘なのですが、思考実験の果ての「決断」の連続の戦闘なので、この作品を象徴しているなあという事で、サトウなりの解釈で敢えて描いています。
「地味」で「よくわからない」けど「何だかすごい」事が行われていると感じていただけたなら光栄です。
初めて見る方も、本放送や配信などでご覧になっている方も、今回の再放送を楽しんでいただけると幸いです。
さあ、またもや海賊の時間だ!
佐藤竜雄
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佐藤監督、劇場版の制作でモーレツにお忙しい中、
ありがとうございました!
本日放送されるのは、
「SAILING 1. 海賊、罷り通る」
初見の方は、オープニング前のアバンからお見逃し無く!
アバンを観ていただくことで、この作品の世界観の基礎を、
しっかりと把握してもらえると思います。
では最後に、第1話放送時間の確認しておきましょう。
tvk:10月3日(木)22:30~
キッズステーション:10月3日(木)24:00~
キッズステーションでは、リピート放送もありますよ。
くれぐれも、お見逃し無く!