学院祭が間近となり、それぞれの出し物の準備は最後の段階へと進んでいた。まりやは自分のクラスでプラネタリウムの設営を完了させ、奏は演劇部主催の芝居
で台本なしの通し稽古を行なう。そして瑞穂と貴子も同じく、芝居「ロミオとジュリエット」の練習を重ねていた。それを通じて、2人の距離は次第に近くなっ
ていく。瑞穂のためにと貴子が手作りサンドイッチをつくったり、2人いっしょにまりやのクラスでプラネタリウムを見てみたり……。
そんな日々が過ぎ、学院祭を明日に控えたとき、まりやが瑞穂の最後の練習に付き合うと言ってきた。そこで2人きりの練習を始めるが、キスシーンのところで
まりやは瑞穂に迫られ、ドキドキしてしまう。最初は、芝居だからと余裕の表情だったまりやだが、自分を見つめる瑞穂の顔が近づいたとき、その余裕はすべて
消えていたのだ。それは、まりや自身が予期していなかった感情だった。
明けて学院祭当日、奏が主役となっている演劇部主催の芝居のあと、いよいよ「ロミオとジュリエット」の幕が上がろうとしていた。だが、奏の芝居を見終えた
まりやは、なぜか次の瑞穂たちの芝居を見ることなく、自分の教室でプラネタリウムの受付をしていた。いつもみんなに優しい瑞穂。自分が苦手な貴子とも仲良
くなっていく瑞穂。芝居とはいえ、真剣な表情で自分に迫ってきた瑞穂。さまざまな瑞穂を思い起こしていた彼女は、心がまとまらないままプラネタリウムで自
分の役目をこなしていくたが、ふと立ち上がり講堂へと向かったのである。
そして講堂では「ロミオとジュリエット」がついに開演。大勢の生徒たちが真剣な眼差しで注目する舞台上で、瑞穂と貴子の芝居は滞りなく進行していた。だが、いちばん重要なシーンが訪れたとき、芝居は思わぬ展開になってしまう!
それを目撃したまりやは・・・。