とうとう最終話を迎えた「となグラ!」ですが、みなさんは感動のクライマックスをご覧になりましたか? さて、この最終話のアフレコが行われたのは夏真っ盛りの7月中旬の頃だったのですが、ある方の提案で出演者全員が浴衣を着て収録を行うことになりました。みなさん浴衣姿に着飾り華やかな雰囲気の中で収録に臨まれたようです。それでは、そんな最終話の収録を終えたばかりのメインキャストのみなさんからのメッセージをお届けいたします! はたして、浴衣姿で収録することを提案された方は誰でしょうか?
――全13話の収録を終えられた現在の心境を教えて下さい。
吉野裕行(神楽勇治役)
「あっという間でしたね。13本というのは本当に早いと思いました。勇治みたいなユニークでエッチな役というのはここ最近出会うことがなかったので、すごく楽しく演じさせてもらいました。本当は最終回なので『ワーイ!』って盛り上がりたいんですけど、たぶん寂しいんですね、けっこう気持ちが沈んでます今。なので僕はそれくらい『となグラ!』という作品に思い入れがあったんだと実感しているところです。印象に残っていることは、アニメと同様に、この現場にはどこか日常的な雰囲気、例えば毎日当然のことのようにしている『ご飯を食べること』や『寝ること』と同じような感覚があって、週に1回の収録なのにそれが日常的なことに思えたことがとても心地良かったです。本当にありがとうございました。みなさんのおかげだと思ってます」
神田朱未(有坂香月役)
「最終話の収録は浴衣を着て行われたんですが、こういうことは作品の主旨をしっかりと捉えているメンバーでないとできないと思っていたので、みんなが真剣に取り組むからこそできた浴衣姿での収録だったような気がするんですよね。だから、そういうことが実現できたメンバーと出会えたことや、そして吉野さんがおっしゃっていた『日常的』な感覚を最後までキープしながら終われたことが、私にとってはとてもハッピーでした」
大原さやか(有坂初音役)
「ホントに今終わったばかりなので、正直、全然終わったという実感がないんです。でも、他の作品のワンクールと比べてより密度が濃かった現場だったと思います。アケとか吉野君が言ったように、このメンバーだったからできた空気っていうのがちゃんと作品に反映されていると思いますし、ある方からは『実写版・となグラ!だね』って言われるくらい、キャストのみんな一人一人がキャラクターとリンクしていたんですよ。すごく等身大な感覚で演じることができて楽しかったですね。それから、『浴衣姿でアフレコ』って個人的に夢だったので、言いだしっぺとしてはこれが実現できて本当に感無量です! ありがとうございます!!」
葉月絵理乃(神楽まりえ役)
「本当にワンクールあっという間で、これで終わりなんだと思うと段々悲しくなってきました。まりえと似て、私自身も張っちゃける性格ではないので、このドタバタラブコメディーの中にどんな風に溶け込めるだろうっていう不安もあったんですけど、本当にみなさん優しい方ばかりで自然に現場に溶け込めたのがとても嬉しかったです。アフレコが終わった後、毎週みんなでご飯食べに行くのが当たり前になっていたんですけど、それが来週からなくなっちゃうのがすごく寂しいんですが、良い作品にこのように関われて本当に良かったと思っています」
辻あゆみ(磯川ニーナ役)
「ニーナちゃんはアニメから出てくるキャラクターですので、参考のために原作を読んでも『ヤバイ! 資料がない!』っていう状態でした。でも、1話からチョコチョコ出していただいて、最終的に全13話に出させていただいたんですよ! それが本当に嬉しいです。みなさんもおっしゃっていますが、来週からこの『となグラ!』の世界に入っていくことができないと思うとすごく悲しくて……ア~~~ン(泣)。というわけで2期に期待しています! 第2期! お願いします!」
関山美沙紀(鈴原ちはや役)
「今日が最終回ということなんですけど、私もみなさんと同様、最終回っていう気がしません。このまま明日も明後日も『となグラ!』の世界は続いていくんだと思うし、このメンバーで毎週逢うことはなくなるけど、同じ空の下できっとつながっていると思える、そんな現場でした。私はこの作品が初めてのレギュラーだったので、本当に何も分からない中で四苦八苦していたんですが、回を重ねていくごとに、自分のままでいいんだということが分かって、それからは本当に現場が楽しくなりました。自由にやらせていただいているのを後ろで見守ってくださったり、たまに突っ込みを入れてくださったり、そういう現場って本当にあんまり経験したことがなくて、良い現場に巡り会えたんだなってすごく思っています」
 
――辻さんから「第2期に期待している」というお話がありましたが、もし続編があるとして、みなさんそれぞれ演じられているキャラクターが主役になるとしたら、どのようなストーリーを希望しますか?
関山
「ものすごい恋愛の話がしたいです! ちはやの恋愛話が見たい!!」
「ニーナは原作のほうではもうお話が出てきたんですが、みなさんがニーナのお家に遊びに来て下さるっていうお話があるんですね。それを是非ともアニメで再現していただきたいです。それから、是非、まりえちゃんを監禁したい(笑)」
葉月
「なに!?」
「監禁って言うのは大げさですけど、いつも一緒にいたいなと(笑)。遊びに来てほしいなぁと思います」
葉月
「私は、まりえの心情が描かれたキャラクターCDで、彼女がどういう子かっていうのを知ったので、どうして人見知りしちゃうのかとか、どうしてお兄ちゃんばかりマシンガンで撃つのか、その原因となったであろう幼い頃の物語を見てみたいなぁと思います。まりえに焦点が当たったのが4話だけで残念だったので、是非お願いします!」
大原
「アニメでは小五郎先生と初音の関係を描いたエピソードがなかったので、そこを是非見たかったなぁと思いますね。放映されたものの中では、その関係を少しだけ匂わすところはあるんですけど、伝わるか伝わらないかぐらいの加減だったので、是非それを2期があれば描いていただきたいなと思います。それと、大好きな香月ちゃんを見守る初音としては、いつか初音の手作りのウェディングドレスを着てお嫁に行く香月ちゃんを見たいなぁなんて思います。ウェディングドレスも作りますから(笑)」
神田
「今回は香月目線でいろいろなことが動いたので、そこからは離れたお話がいいんじゃないかと思うんですね。例えば、お母さんとかお父さんがとても面白そうなキャラクターなので、2人の話をお願いしたいですね。お母さんとお父さんの馴れ初めなんかを是非!」
吉野
「勇治と香月に主軸を置いた描かれ方をしたので、みなさんがおっしゃったような話が作れたらいいですね。とにかく、コレまでの『日常感』が壊れないように何かできたら面白いと思います」
 
――ワンクール演じて、最初の頃と現在では何か変わったところはありますか?
吉野
「物語の前半ではエッチな感じのシーンが印象的なんですが、後半に進むにつれて、そんなでもなくなっていったんですよね。物語の後半ではドタバタとしたシーンよりも、心の揺れ動きのほうに重点を置いていったので、その中で勇治も香月も変わったわけじゃなくて、その裏にあるものに気が付いていったんだと思うんです。勇治はいやらしいだけじゃないんだということが香月に伝わって、香月は本当は素直になりたいのにそうなれないでいるということが勇治に伝わったんじゃないかと」
神田
「吉野さんのおっしゃる通りですね。でも、香月にとってはそこに向き合うかどうかというところが恥ずかしいお年頃で、『認めたらどうなっちゃうのかな』とか色々葛藤することがあると思うんです。そういう気持ちがある中で、最後は認めざるを得ない状況になったりとか、向き合わざるを得ない状況になりましたけど、『素直に気持ちを伝えることがこんなに分かり合えることなんだ』みたいなところに落ち着いたので、そこは香月の中では大きな進歩だったなぁと思います」
大原
「初音はそんな2人を一歩引いた位置から見守る立場だったので、基本的に変わったかどうかといったら変わってないんですよ。変わらないスタンスで優しく見守っているっていう距離感が初音らしさだったのかなって思います。ただ、表面に出てきている部分で、前半は香月ちゃんをからかいまくって楽しんでいたのが、後半になってちょっとシリアスな話の流れになったぶん、あまりイジレなかったのが段々物足りなくなってきて(笑)。個人的に『今日はあまりイジッてない!』って思うようになって(笑)。そういう意味では、私、初音好きなんだなぁってしみじみ実感しました」
葉月
「まりえはニーナっていうお友達ができたことで、人との関わり方が変わったんじゃないかと思うんですよね。ちょっと前まで人懐こいのが苦手だったけど、それにもくじけずにニーナは突進してくるから、そうならざるを得なかったというか(笑)。でも、そういう友達がいる居心地のよさというものを、この学校で始めて知ることができて、まりえにとってすごく良かったんじゃないかと思います」
「ニーナは全体を通してゆっくり成長したということではなくて、4話でちょっと引くことを覚えて、相手の気持ちを理解しようとするようになったんですね。そこからは、まりえちゃんと仲良くなりたいけど、彼女の気持ちも考えて行動しなきゃって思うようになったので、そこは大きな進歩だと思います」
関山
「ちはやは変わらないところがいいところだと思うんですね。香月やみんなが好きだってことは変わらないし、たとえ卒業してバラバラになっても同じ気持ちを持ち続けられる。おばちゃんになってちはやがあのままでいても、それはそれで彼女らしいと思うし、そこがちはやらしさなんじゃないかと思います」
 
――最終話のアフレコはみなさん浴衣を着て臨まれたということですが、そのことが収録にどう影響しましたか? いつもと違いましかた?
関山
「すごい緊張したよね?」
神田
「私は最後の収録でグッとテンションが上がったらそれは素晴らしいことだと思っていたので、その提案がすごく嬉しかったんですけど、実際に最終話の収録が近づくにつれて、いつもより自分たちにプレッシャーがかかってきたような気がして……」
大原
「そうかもね。自分で首を絞めたかもしれないね」
神田
「それでも『やったな』っていう達成感はありますよね」
大原
「まず単純に、いつもと視界が違うでしょ!?」
関山
「なんか幅が広いですよね、みんなが(笑)」
大原
「そうそう。それに袖が触れて生地の音がならないように気を使うし、マイク前に立っている人たちの背中がみんな色とりどりで集中力がぶれそうになるんですよ。そこをなんとか集中するのが、いつもより努力が必要だったかなって気がします。あとは『最終回の収録は浴衣らしいですね』って事務所から連絡をもらったんですけど、音響監督さんから『下駄の音がなるかもしれませんので気をつけてくださいね』っていう注意がわざわざきたのでかえってドキドキしました(笑)」
関山
「でも、実際は下駄は意外に音がならないんですよね(笑)」
神田
「でもね、そういう集中力が良い意味で働いていればいいなと思うよね」
吉野
「でも実際に言ってみて、こういうアイディアに乗っかってくれるなんて普通ないですからね。乗っかりたいという想いが現場にあったわけじゃないですか。それは、ここにくるまでの間に、みんなが素敵な現場を作ったということだと思いますよね」
出演者全員から最終回を惜しむ声が聞こえたアフレコインタビューとなりましたが、視聴者のみなさんはいかがですか? そんな声にお応えし、早くもDVDのリリースが始まります!  秋の夜長は「となグラ!」のDVDを見ながら過ごしてみてはいかがでしょうか?