もちろん、この映画の主人公で1年3組に入学した神山高志(須賀貴匡)もしかり。そもそもこの男は、入学した高校が不良学生ばかりの最悪な学校であることにさえ気付いていなかった。彼はただ中学時代、カツアゲされそうになった自分を助けてくれた山本一郎君と同じ高校に入りたかっただけなのだ(山本君は貧乏な上に頭も悪かった)。そうして心ならずも入学した“クロ高”は学力も最低レベル、教室の中で酒たばこは当たり前。拾った鉛筆を食べちゃうのもアリな、ある意味、人間離れしたヤツラの溜まり場だった。「こうなったら僕一人でもこの学校を変えてみせる!」。神山はややカラ回り気味ながら、イマドキの若者には珍しい正義感を燃え立たせる。そんな神山にも一緒にツルむ仲間ができる。低レベルな学校の中でもぶっちぎりに頭の悪い林田慎二郎(虎牙光揮)と、比較的常識を持っているせいでどうしても存在感の薄いツッコミ役前田彰(山本浩司)。これで彼の高校生活は軌道に乗るかに見えたが、九州への修学旅行でいきなりトラブルに見舞われる。飛行機がハイジャックされてしまうのだ。そこで、ウラ番の竹之内豊(高山善廣)が身を挺してみんなを守る(乗り物酔いが怖くて動けなかっただけともいう)。しかしマスクをしたハイジャック犯(板尾創路)が竹之内のふりをしてクロ高に潜入したことには誰も気付いていなかった。後に神山らは学校生活を再開。そこへ謎の人物が続々と仲間入りする。年齢&国籍不明でとびきり無口なフレディ(渡辺裕之)、なぜかゴリラ、さらにもう一匹ゴリラ、そして飛び道具的なロボットのメカ沢新一(声:武田真治)とそのミニ版メカ沢βだ。メカラッタ! さらには北斗財団の御曹司、北斗武士(金子昇)までもがやってくる。こいつは壮大な陰謀を企んでいたが、潜入する高校を間違えてひとりで勝手に窮地に陥る。「ウチのオヤジは、日本政府をウラで牛耳る影の総理大臣だ。悪の黒幕を倒すためにここに来たのだぁー!」。一か八かの口からデマかせを信じた神山と林田は「日本の平和を守る」という言葉にピクリと反応、さっそく「地球防衛軍」を結成。成り行きで前田も参加して活動を開始する。そこへ宇宙から侵入者が! その名も「宇宙猿人ゴリ」、ゴリとラー。彼らは“万能アンテナ”を使って不良たちを支配、クロマティ高校をゴリマティ高校として乗っ取ろうとしていたのだ。そうしてパシリの田中君たち(ロバート)らクロ高の生徒はあっさり洗脳されてしまう。
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(C)2005 「魁!!クロマティ高校」製作委員会/講談社/野中英次