MM9INTRODUCTION
MM9とは―
MMとは?
原作
ポイント
「MM9」のポイント
「MM9」は、さまざまなモンスターの登場するVFXドラマである。だが、その視点は、あくまでも愉快で人間味あふれる公務員たちの方に向いている。 M(モンスター)災害に立ち向かう気象庁特異生物部対策課は【気特対(きとくたい)】と呼ばれている。メンバーは特異生物の異常なシチュエーションに立ち向かうヒーロー。 しかし同時にどこか不器用そうな生き様を抱えた、どこにでもいる身近な勤め人たちでもある。

 日常と非日常がグルグルと入れ替わり、驚きと笑い感動が交錯する本作の原作は、山本弘による同題の小説(東京創元社)。「SFが読みたい」2009年国内版第2位に選定された傑作だ。
本作がテレビドラマ初挑戦となる総監督の樋口真嗣は、大ヒット映画『ローレライ』、『日本沈没』で定評のある驚異のスーパービジュアルと人間描写の手腕を見せ、この作品の指揮をとるのに、まさにうってつけのクリエイターだ。

 各エピソードにも個性的な監督たちが集結している。『ホームレス中学生』の古厩智之、『ひぐらしのなく頃に』の及川中、「古代少女ドグちゃん」の登坂琢磨、『長髪大怪獣ゲハラ』の田口清隆と、特異なシチュエーションで腕をふるってきた面々ばかり。
それぞれの持ち味を活かし、「Mのいる世界とキャラ」のディテールと手触りを練りあげている。
原作を大きくアレンジしたシリーズ構成・脚本は、アニメ『機動警察パトレイバー』と平成『ガメラ』三部作の伊藤和典が担当。
パトレイバーでは“戦う公務員たち”をユーモラスに大暴れさせ、ガメラでは樋口真嗣と巨大生物の都市破壊をリアルに描きぬいた手腕は、本作でもフルに発揮されている。

 さらに魅力的なキャストたちが、この奇妙で日常的なドラマを転がしていく。中心となるのは、気象庁勤務のダブルヒロイン。藤澤さくらに新星・石橋杏奈(『きみの友だち』)、朏万里に尾野真千子(「Mother」)。
上司にあたる機動班・班長には高橋一生(「医龍2」)。新人オペレーター森橋光一郎に中村靖日(「医龍2」)。ベテランオペレーター山際俊夫に松尾諭(「SP 警視庁警備部警護課第四課」)。対策課の課長に皆川猿時(「ヤンキーくんとメガネちゃん」)。数学者の案野悠里に加藤貴子(「温泉へ行こう」)。特異生物部の部長に松重豊(「ちりとてちん」)。
いずれも「こんな人が身近にいたら楽しい」と思わせる個性派揃いだ。

 こうした「普通だけどちょっと面白い人びと」の視点から、大きな危険がともなう「M災害」を立体的にとらえていく。
熱心であればあるほどエスカレートしていく大騒動。思わず脱力するような笑い。不思議な世界の扉が開かれたとき、ふと垣間見える人と世界の成り立ちの神秘。 仕事を進めれば誰でも直面する困難、ヤマを乗り越えたときの喜び、上司部下の微妙な関係、立場を越えた男女の恋愛感情などなど……。
盛りだくさんの要素が、リアリティあふれる特異生物部対策課の中で共感たっぷりに描かれ、魅力として万華鏡のようにキラキラと光り輝き始める。

 全13話、どの回もパターンに陥らない幅広いエピソードが用意されているのも、「MM9」の大きな特徴だ。
大規模なM災害を前提にしたモンスターを描く物語はもちろん、職場にひそむ感情の機微を照らし出すエピソードや、驚くべき幻想的な内容の挿話も用意されている。 そのバラエティの豊かさ、イメージの味わいの芳醇さには、上質のアンソロジー的なゴージャスさも感じられる。
ストーリーは基本的に1話完結か前後編で進んでいくが、入念に練りこまれた脚本は回を重ねるごとにキャラを掘りさげ、人間関係や散りばめられた伏線を大きな全体像へと編みあげていく。
全話見終えたとき、パズルの断片はピタリとひとつにおさまり、壮大なVFXビジュアルを触媒に、驚きと興奮と感動のビッグバンを起こすはず。

 「MM9」は、日常の閉塞に風穴をあける極上の快楽が埋めこまれた「お祭り」だ。この新しいスタイルの濃密なドラマの時間を、愉快なメンバーといっしょに過ごしていただきたい。

What's new
MBS内番組ページはコチラ
MM9公式twitter

©2010「MM9」制作委員会