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第18回 ワイヤーレコーダー

 正太郎の父、金田博士が南方に旅立つ前に正太郎のために残したと思われるもの。金田博士はロボットとともに自分の声をワイヤーレコーダーに録音していた。このワイヤーレコーダーが発明されたのは1898年のこと。1888年にアメリカのスミスが発表した磁性体の帯を使って音声信号の収録と再生を行う原理についての研究を応用し、1898年にデンマークのブールゼンが鋼鉄製のワイヤーに音声を収録する磁気録音装置(ワイヤーレコーダー)を発明している。

エジソンが最初の蓄音機(実用には到らず)を作ったのが1877年。ベルがベル型蓄音機を完成させたのが1888年。同年にはエジソンも実用に耐えうるエジソン型蓄音機を完成させるなど、音声を収録する技術の研究は当時のブームであった。ワイヤーレコーダーが実際に生産され、使用されるようになっのは1920年代のこと。アメリカやイギリス、ドイツなどで主に生産され、使用されていた。このころになると使用されるワイヤーも鋼鉄で作られた線(ピアノ線や針金状のもの)から鋼鉄製の帯(カセットテープの中に入っている帯のようなもの)に代わってきていたりする。なお、テープに音声を収録するテープレコーダーが欧米において登場するのは1930年代になってから。国産初のテープレコーダーが販売されたのは1950年のことである。

劇中でも語られているが、ワイヤーレコーダー等の音声を収録する機器(特に民生用の機種)は戦前、戦中ともに国内に持ち込まれた台数は極めて少なく、当時の日本の庶民にとっては、なじみの薄いものであったようだ。