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いぬかみっ!
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「いぬかみっ!」原作者 有沢まみず先生がホームページオリジナルの小説を書き下ろしてくれました!!
小説やアニメでも語られていない、あっと驚く内容が満載!!
ここでしか読めない、オリジナル小説!!
もう、読まずにはいられない!!

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ようこと啓太の一日

「あうやんてぷい!」
 突然、犬神のようこがそんなことを叫びだしたのでベッドの上に横たわって時代小説を読んでいた啓太は、
「んあ? なんだ、それ?」
 と、上の空で返事を返した。目は相変わらず文章を追っている。
「ぎあなこうちのね!」
 テレビに目を近づけながらようこが片言で説明した。
「てーぶるまうんてんだって! しょくちゅ〜しょくぶつ一杯だって!」
 ドキュメンタリー番組でアマゾンの奥のギアナ高地を特集していた。
「あはは、おもしろい名前だね。あうやんてぷい♪」
 ようこは無邪気にすらりとした足をぱたぱたさせた。何が気に入ったのか、
「あうやんてぷい! あうやんてぷい!」
 を連呼。啓太の大きなトレーナーに下は下着のみ、というかなり際どい姿だった。実は雨に濡れてしまったモノの替えの服を全て洗濯してしまっていたのである。ちなみに啓太も同様で辛うじて押し入れの奥にあったスエットを引っ張り出してきて、上下着込んでいた。
「そ〜だな〜」
 啓太は腹ばいになりまたページを捲った。
 ようこはぷくうと頬を膨らませた。時代劇が大好きな啓太は一度、本を読み出すとなかなか相手してくれないのでキライだった。
 仕方がないのでチャンネルをかたかちゃ動かして、別の番組を見てみる。
「あ」
 プロレスをやっていた。ようこはそこでアヒル座りになると、どろんと出した尻尾をぱたぱた振りながら観戦を始めた。
 なかなかの名勝負だった。バックドロップにラリアットの応酬。最後は華麗なトップロープからのムーンサルトで決着がついた。
 ようこはうずうずしてくる。
 身体を動かすのは好きだった。やおら立ち上がると啓太の上にまたがり、
「えい!」
 と、足を逆関節で引っ張ってみた。
「いてててててて!」
 啓太が悲鳴を上げた。ようこがけたけた笑った。
「な、なにしやがる!?」
 と、啓太。ようこは啓太の首に手を回し、ぐっと胸を押しつけて、
「ねえ、ケイタ。わたしとぷろれすごっこしよ〜」
 と、甘える。露骨にイヤな顔をする啓太。
「はあ?」
「やろ〜よ。あのさ、わたしに勝ったらケイタの言うことなんでも聞いてあげるから」
 ちょっと考える表情の啓太。ようこはさらに啓太の方を揺すり、
「ねえ〜、ケイタってばあ」
 せがむ。ケイタは腕を組んで考えた。そして、
「”しゅくち”とか”じゃえん”しないか?」
「え? うん。もちろんだよ。あくまで遊びだもん」
「噛んだり引っ掻いたりもナシだぞ?」
「しないよ〜」
 唇を尖らせるようこ。啓太はにやっと笑って、
「じゃあ、三秒間フォールした方が勝ちだ! はい、スタート!」
 言うやいなや覆い被さってきた。ようこが歓声を上げた。
「えい!」
 啓太の動きは速い。だが、ようこもまた敏捷だった。くるっと一回転すると啓太の腕を取り、逆十字固めに持って行く。
 むちっとま白い太ももが啓太の肩に絡んだ。
「うおおおおおお!!!」
 啓太は力を振り絞り、強引に立ち上がった。そしてベッドの上でようこを押しつぶしていく。必然的にようこが太ももで啓太の頭を挟むことになる。
「ちょ、ちょっとちょっと!」
 ようこが赤くなった。着ていたトレーナーの裾がめくれ、青と白のストライプ模様のパンツが露わになった。啓太の顔面を足と足の付け根の間で挟む形になる。
 あたふたと裾を直すようこ。
 ふごふごとようこの布地の付近で息をする啓太。
「あ!」
 突然、羞じらいの声を上げるようこ。その締め付けが緩んだ。そのすきに啓太が動く。ようこが回転して逃げようとする。
 その細い胴回りを後ろから抱え込んだ。だが、
「え〜い! 尻尾返し!」
 ようこは尻尾で啓太の顔面を擦ってその技から逃れた。思わず怯む啓太。
「ぷは! 尻尾は反則だぞ、ようこ!」
「反則じゃないもんねえ〜身体の一部だもんえい!」
 今度はようこが胸で啓太の顔面を押さえ込む。だが、
「あまい!」
 にっと笑って啓太が体を入れ替えした。
「え?」
 ようこは次の瞬間、綺麗な弧を描いてベッドの上にぱふんと背中から落下していた。ちゃんと啓太が背中に手を当てていたので痛くも痒くもない。
「ほれ」
 啓太はようこがびっくりしている間に、
「わんつうすり!」
 と、覆い被さり、カウントを取った。啓太が得意とする中国拳法の応用だった。ようこは下になったまま突然、笑い出した。
「あははははは! やっぱりケイタつよ〜い!」
「まあ、体力勝負だったからな」
 そう言って啓太はずずいと顔を近づけてきた。彼がにやあっと笑った。ようこはどきどきした。ちょうど胸と胸が密着している状態。ようこの胸が変形して押しつぶされている。素足が一度シーツを擦る。心臓の鼓動が啓太にも伝わっているのだろうか?
「なんでも言うこと聞くんだよな?」
 啓太はいったい何を要求してくるのだろうか?
 ようこは真っ赤になる。実を言えばこれはもう覚悟の上だった。
「うん……」
 ようこは恥ずかしそうに。
 小声で。
「なんでもいいよ。なんでもいうこと聞くよ」
 ついでなぜかうっすら目をつむる。
「ふ〜ん。そうか」
 で、啓太が要求したことは……。

「ふふふ〜ん♪」
 啓太は鼻歌を歌いながら読書に戻っていた。啓太が要求したこと。
 それは……。
『俺の邪魔をするな』
 だった。横に放られ、なんとなく正座していたようこが怒りで小刻みに震えだした。なんというか。
 乙女の覚悟を踏みにじられた気分だった。
「も〜ケイタのばかあ〜〜〜!」
 そう言って涙目で飛びかかっていき啓太の腕をかぷっと噛む。
「なんでだあ〜〜〜!?」
 ケイタの悲鳴が木霊した。
 いつも通りの一日だった。
ようこと啓太の一日なでしこと啓太の一日ともはねと啓太の一日啓太とせんだんの一日

啓太とたゆねの一日啓太といぐさの一日啓太とごきょうやの一日啓太とフラノの一日

啓太とてんそうの一日啓太といまり&さよかの一日