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第6話中盤で語られる三鷹・松川事件。このふたつの事件は、実際に起きた事件である。
三鷹事件とは、1949年7月15日、国鉄中央線三鷹駅で無人電車が脱線し暴走。通行人6人が死亡、10数人が負傷した事件のことを指す。松川事件とは、同じく1949年8月17日未明、福島県金谷川村の東北本線金谷川~松川間で夜行列車が脱線転覆、機関士1人助手2人が死亡した事件のことである。
折しもGHQが日本経済を安定させるための『経済安定九原則(ドッジ・ライン)』を3月に発表し、国鉄で10万人が人員整理の対象になったのを皮切りに、官民ともに大幅な人員整理を余儀なくされたことから、三鷹・松川事件について様々な陰謀説がささやかれた。結局、これらの事件の影響から、『経済安定九原則(ドッジ・ライン)』による大量首切りは、半ば強引に実施されることになるのだが、いずれの事件についても真相ははっきりせず、まさに戦後の闇を代表する事件となったのである。
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