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第19回 即席麺

 第19話において事件記者となり再び姿を現した村雨健次の部屋にやっかいになることになった正太郎。彼はそこではじめて即席麺を食べる。この即席麺ができたのは、1958(昭和33)年のこと。日清食品の安藤百福氏によって開発された最初の即席麺「チキンラーメン」は画期的なものであつたが、当時、中華ソバ屋のラーメンが40円前後だった中、「チキンラーメン」は35円もしたため、問屋は入荷を渋った。しかし、早く作れてしかも美味しいという噂が広まり「チキンラーメン」は大ヒット。即席麺は、日本中に浸透していった。 その後、多くの食品会社が即席麺を発売。粉状のスープを別の袋に入れてつけたり、麺の太さを変えたりと、即席麺はどんどん進化していった。

そして、1971(昭和46)、最初の即席麺を開発した日清食品が世界初のカップ麺「カップヌードル」を発売。より便利になった即席麺は、さらに人々の間に広まっていった。カップ麺の登場後、即席麺、カップ麺ともに高級志向ブームが到来し、生麺タイプや名店の味を再現したものなどが数多く登場したが、即席麺の登場から50年近く立つ現在も、元祖即席麺「チキンラーメン」は健在である。それはやはり、「チキンラーメン」自体の美味しさによるところが大きく、いかに高級な即席麺が登場しようが「あの味が忘れられない」というファンの声が収まらないからであろう。昭和30年代に村雨や正太郎も食べたであろう「チキンラーメン」を今も気軽にコンビニで買えるのである。