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本作に登場する女性と言えば高見沢秘書。彼女のような"働く女性"は当時の女性たちにとって憧れの存在だったようである。戦後、GHQの指導により女性解放が進む中、1945年(昭和20年)には衆議院議員選挙法改正により婦人の参政権認められ翌年には、初の女性議員が誕生(衆議院39人)。そして、同年には婦人警官の採用も始まった。
婦人警官募集への応募者は1673人。そのうちの62人が採用され、婦人警官として職務につくこととなった。採用当時の婦人警官の主な仕事は男性警官の補助や少年補導などで、逮捕権は認められていなかった。もちろん、劇中に登場する婦人警官のように路面電車が通る道路で車と路面電車が事故を起こさないよう交通整理をするのも当時の婦人警官の重要な仕事であった。
だが、現在のように交通違反が大きな社会問題となり婦人警官が交通違反の取り締まりに活躍するようになるのは1950年代後半に高度経済成長が始まってから。車の増加による交通違反増加や社会へ進出する女性の増加による女性による犯罪の増加など高度経済成長を境に婦人警官が活躍する機会は増えていき、現在では男性警官と同じく警察組織のあらゆる分野で婦人警官は日夜働いている。
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