KING AMUSEMENT CREATIVE | SONIC BLADE

小猿日記
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「四郎の頭もとけていた」

 浮ッキキッキ~♪とうとうこの日がやってきたでヤンス~。今日はバンカラトリオwith四郎のAR初日!
先週の本線初日を見学したコザルは再びアフレコスタジオにやってきて、思った。「さ、寂しいっ!」
 だってだって、先週は延べ15人位の声優さんたちが所狭しとひしめき合っていたんですヨ。それが今日から毎週(いかに騒がしいキャラとはいえ)たった4人だなんて!「このスタジオ、こんなに広かったんだァ」と実感。はははっ、なーんて実はこの日は4人にあらず。何と小田豪鯉之介さん役の置鮎龍太郎さんが同じ日に抜き録りだったのでした。そしてさらには「あの方」も!
「あの方」とは・・・そう超重要人物でありながらも最後まで秘密のベールに隠されていたキャスト!若き日の柳生十兵衛三厳さま!!
そしてそれを演じるは、ジャ・ジャ・ジャーン♪!!な、な何と俳優の目黒祐樹さんなのです!!
いやはや、先週の竹内力さんに続いてまたもや豪華キャストですよォ!どうなってるのよこの『2』は。
 実は目黒さんのお父様の近衛十四郎氏は、大地監督が『十兵衛ちゃん』を作るインスピレーションを得た『柳生武芸帖シリーズ』にて柳生十兵衛を演じておられた方。
当然監督はこのキャスティングに並々ならぬ思い入れを篭めているそうです。
 その目黒氏がいよいよスタジオに到着しました。打合せの後、早速ARが始まります。
ブースの中に目黒さんと大地監督のお二人を残して、鯉之助&バンカラwith四郎は退場。先週と同じく調整室から中の様子を見学させていただきました。
 アフレコは初めてという目黒さん、映像が流れ始めると一言、「・・・うわっ、早い!」と驚いたお顔。そう、このシーンは先週と同じく広大な氷上での決闘。非常にスピーディーかつダイナミックで瞬きをするひまもありません。
映像にはすでに先週録った竹内力さん演じる喜多烈斎の雄叫びが入っており、そこに目黒さんが声を重ねていきます。
 「待たれよ、喜多烈斎殿っ」少々戸惑いながら発されたその第一声を聞いた瞬間、電撃が走りました!画竜点睛、目黒さんの声が喜多烈斎の声に被さったその時、「カチッ」とひとつの完璧な絵がそこに現れたのです。
 思わず息を飲みました。他のスタッフさん達も皆、溜息をもらしました。何という柳生十兵衛!今回はちょっと「優しい」十兵衛のイメージを作り上げたかったという監督。目黒さんの甘い雰囲気と柔和なお人柄はまさにぴったりでしたね。
 最初は映像のあまりのスピードに苦心されていた目黒さん。しかし、次第に慣れてこられ演技にも熱が入ります。「「だが、俺には・・・」というセリフは強調していきますが声がかき消される。そんなイメージでお願いします。」とアフレコ的な指導も入ります。
 奮闘の末にOKの出た音を一度聴いてみます!す、素晴らしい!!「うん、カッコイイ!!カッコイイ!!」「ものすごい雰囲気をお持ちですよね。」と大満足のたなか音響監督。「(目黒さんの声は)ちょっと優しいんですよね、人間的に」と大地監督。
「もう何か僕、時代劇を意識しちゃってまったく時代劇口調になっちゃってるんですけど。」と仰る目黒さんに「いや、もうここはめちゃめちゃそれでいいです!」と監督は言うことなし!の表情。

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ひきつづき喜多烈斎との白熱の攻防戦に「息」の演技を入れていきます。とにかく画面が速いので一瞬間を捉えなければなりません。「いやあ、難しいなあ、タイミングが。」と目黒さん。しかし、飛び上がる「息」、着地の「息」、顔を上げた時の「息」!「ハッ」「ムムッ!」「ハアーッ」!と絶妙に入れていかれます。「かっくいいなあ、かっこいいなあ」と言い続けるたなかかずや氏。
「忍者ものだとオーバーにやりますよね、あの雰囲気で。」「この「喜多烈斎殿ーーっ!!」はさっきより距離があるので遠くにかける感じで。」指示に対して適格な演技で応えられる目黒さん。アフレコはさくさく進んでいき、いよいよ最後の壮絶な別れのシーン!
「フリーシャーッ、トゥルーシャーッ」「フリーシャーーーーーッ」虚空に空しく響く十兵衛の絶叫!!
「わっ、っ、っいいね!いいよ!!」と感嘆の呻きをもらすスタッフ陣!!引き裂かれていく親子の悲しみの叫びに、思わず目頭が熱くなりました。
竹内力さんのアフレコを熱狂と興奮うず巻くライブに例えると、目黒さんのアフレコはおごそかな、まるで神聖な儀式を見ているような気持ちがしました。目黒さんの柔らかな声と竹内力さんの荒ぶる声が、吹きすさぶ大地に響きあった、最高の幕開けになったのではないでしょうか。
「はい、以上でしょう。」と終了の声が掛かり、ブースから出て来られた目黒さん。お疲れさまでございました!「絵もこの状態(線画)ですから、非常に難しい。いい勉強になりました。」と微笑みながら仰る十兵衛様。本当に素晴らしい演技をありがとうございました!!

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春風のような目黒祐樹さんとお別れした後は、いよいよ複線ARのスタートです。
早速始めようとしていた監督たち、あわててブースに入ってきて「初日だよぉ~みんなお馴染みなんで忘れてたよ~っ。監督の大地丙太郎でございます。」とご挨拶(笑)!!ほとんど顔なじみの声優陣にリラックスした雰囲気でアフレコが始まります。
まずはシリアスシーン2本立て。置鮎龍太郎さんが演じる小田豪鯉之介のカットです。
『1』における鯉之介さんの潔い別れ際は、ファンの皆様の心に残っておりますでしょうか。最終回の離別シーンはスタッフの間でも泣かずにおれない場面。チーフディレクターの長濱氏は当時「出かけてござる」の貼り紙を見ただけで胸が張り裂けそうだったとのこと。今日も音響監督のたなかかずやさんが「置鮎さん、貴方の声を聞くだけで涙が出そうです。」と仰るほどあのラストは辛く切ないものでした。
さあ、そんな涙を誘う鯉之介回想シーンです!!
「自由殿・・・されば拙者、いついかなる時も駆けつけまするっ!はっ」
「は~い、置鮎さん、お疲れ様です~!」
早っ!!
 も、もう終わってしまったでヤンスか~鯉之介さん。早すぎて泣くヒマもないですよぉ。第1話で彼の登場はここだけですからファンの皆様にはちょっと寂しい再会かもしれませんね。
 そして西村ちなみさんが演じるフリーシャの母親トゥルーシャを録ります。
吹きすさぶ氷原にちなみさんの血を吐くような叫びがこだまします。「キャーーーーッ」愛する者を失う悲しみと絶望とが凝縮された悲鳴を間近で聴き、コザルの肌がぞくぞくっと粟立った。さすが大猿兄貴!
OKの声が掛かり、シリアスシーン終了!!

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 いよいよバンカラトリオwith四郎 のARスターーーート!!さあ、ここから空気変わりますよぉっ
「好っきだーっ、じゅうべえちゃ~~んあうんあうんあうん」いきなりテンション全開のおやびんこと上田祐司さん!!つづいて即座に大猿・小猿!!「おはザル~」「こ、こはザル~」(うわっ緊張!!)ベテラン大猿兄貴の後を追いいっぱいいっぱいのコザル第一声。さらに竜乗寺四郎も登場!!
 今回、四郎を演じる大津尋葵くんはオーディションの際、満場一致で彼に決定したという期待の超新星!大地監督いわく「もうそのままやってくれればいいよ」と言う程、新しい四郎のイメージにぴったりだったそう。
そんなピュアな青少年、大津尋葵16歳。例えて言うなら、そう、実写版小猿・・・。
あいや、もうとにかくっ、とにっかくスゴイんです彼は!独特の語り口がメチャメチャ面白く、四郎がセリフを言う度に、調整室では大爆笑!特に「あうっ」と呻くタイミングが絶妙!と某スタッフさんは語る(なんてぇマニアック)。しかもそれが全部「素」だなんて。すばらしい、素晴らしいぞよニュー四郎!
 よぉしこうなったらバンカラトリオも負けていられやせんぜ!!と言ってる側からトリオ解消の危機到来!
大将、すまねえが俺たち今日から「軽業ユニットウッキーモンキー」を結成いたしやした。ちょっくらお先に行ってきやすぜ☆ウキーーーー!
 しかし結成されたばかりのこのユニット、初日ゆえまだまだ二匹の息を合わせるのが難しい。
大猿・小猿が番太郎にツッコむシーンでは「馬鹿っすね」のタイミングがなかなか合わず、数回「バカっすね」をくりかえす。しかし何度やってもうまくいかず、とうとうち なみさんと一緒のマイクで「ばかっすね」を合わせることに。ちなみさんが「せー の」と言い、二人で「バカッすね」と何回も何回も言い続ける。もうあたり一面「ば かっすね」まつり。
ああ~この未熟者がいけないんでヤンス、すみません、すみませんと頭を下げるコザルに、優しく微笑むちなみさん。天女様ぢゃあ。
ようやく何度目かでOKが出る。あ、あ、ありがとうございやしたァっ!
 その後も四郎はハジけつづける。「フリーシャちゃんっていうのか」の「リ」の巻舌は最高。「キュートキュートキューティクル」の場面ではいきなり眼鏡かけてるし(笑)やっぱりあそこは眼鏡でしょう。ああ、あの爽やかな四郎はいずこへ・・・

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 そうそう、ハジメのキャラの変わりっぷりに皆さん驚かれたでしょう。『1』でも四郎とハジメは同じ声優さんでしたが、今回の大津くんのキャラ作りにも脱帽!
いやあ、ほんっとにいいねえ四郎君。
っと聞き入ってる場合ぢゃない。「小猿、もうちょっと元気出してごらん」と調整室から音響監督。あわわ、すみません。「大猿のテンションを受ける感じで」はい、すいやせんっ「もっと能天気に」ス、ス、スミ・・・どんどん小さくなっていくコザル(ダメじゃんっ!)。
はぁぁぁぁ~、難しいでヤンス。それにひきかえ、大将も大猿兄ィもはさすが!生き生きとこなしています。お二人のリードに大変助けられました。
そんなこんなで笑ったり、焦ったりをくりかえしながら、バンカラトリオwith四郎のパート終了!!お疲れさまでしたぁっ!
最後にコザルは一人残り、今日の自分的山場であるナレーションの録音にうつります。
「それからおよそ三百年、地球の気温が急速に上昇するという現象が起こった・・・」
「こわいぞこわいぞ~という感じで」という指示の後、テストをしてみました。何か違う・・・。「下から出てくる感じ」「もう少 し抑えたところから」「「ソレカラ」じゃなくて「それから」っていうトーンで入ってごら ん」音響監督がさまざまにアプローチをしてくださっても、どうしても声を張り上げてしまうコザル。あわわ、全然うまくいかない。いやな汗が出てくる。あれっ、分からなくなってきた~。

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 その時、重々しくドアが開き、ついに大地監督がブースに入ってこられる。直々の指導!(きゃあー)「そ~れからおよそ三百ね~んんん ん~~~(震)というK田K子さんみたいなイメージでやってみて。」とお手本をしてくださり、よし!と理解したつもりのコザル。しかし声を出せばやはり違うニュアンスになってしまいアセる焦る。ああ、自分が出そうと思っている声が全然出てくれない~~~(嘆)
混乱の末、何とかOKをいただくことができました。「はい、いいでしょう。」と聞こえた瞬間、身体中の力が抜けていっ・・・「その感じでいくので覚えておいてね。」
うわあーーっ頑張りまーすっ(シャキーーーン)!!
こんな感じで、すったもんだのあげく終了した複線初日でありました。
はあ~~今日も濃かったでヤンスぅぅぅぅ~。
って何のまだまだこれから!
壮大なドラマは今、始まったばかりなのです。
これからも楽しいことがどんどん起こります!どうぞまた観てくださいネ!
ではでは最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました~!

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あとがき            
(C)大地丙太郎・マッドハウス/j2製作委員会