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小猿日記
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「初日はつづくよどこまでも」

 とうとう始まりました『十兵衛ちゃん2』本線AR!!
えっ何?「本線」??実は、『十兵衛ちゃん2』は「本線」「複線」とアフレコが週2日に分かれていて、複線メンバーはバンカラトリオwith四郎、あとはパパ彩役の藤原さん、鯉之介役の置鮎さんなどが時々加わるのだ。それ以外のキャストはみんな本線組なのです!
よって本日のコザルはレポートに集中!!さぁさ、はりきっていくでヤンス~!
 アフレコスタジオに到着し、ドアを開けると、
のおおっ!いきなりシベリア柳生の面々が何かブツブツ言ってる!!叫んだりロシア語もどきを話したり楽しそう~_視線を奥に投げれば、おっといましたYO自由役のほっちゃんこと堀江由衣さん、フリーシャ役中山恵里奈ちゃん、仲良く隣同士座っています。目は真剣そのもの。そしてそんなキャスト陣の間を忙しそう飛び回り、熱心に演技指導するのは音響監督たなかかずやさんっ。
熱っ、早速熱いぞこの現場っ!
 何だかタダの見学サルが申し訳ない気分やね。ヘイヘイすいません、ちょーっと座らせてくださいねェ。おやおや、齋藤彩夏ちゃん、他の先輩方も皆様おはざるこはざるでございます~!!いや、それにしても何という熱気。初日からキャスト多っ!このアフレコスタジオ、かなり広い部屋のはずなのですが、この日は相当狭く感じました。
 さて、コザルが入室した時は冒頭シーンのリハーサルが終わったところ。そう、若き日の柳生十兵衛と喜多烈斎が死闘を決するシベリアの氷原の場面でした。といってもこの段階では、喜多烈斎も十兵衛も、母親のトゥルーシャの声優さんもいないので恵里奈ちゃん独りで演じます。幼いフリーシャが十兵衛を慕う「パーパ!」という叫び!テイクが重なります。「お父さん!という気持ちが少し弱くなったから込めて。」「気持ちを作ろうとすると、どうしても反応が遅くなる。でもしっかり入れて。」たなかさんの演技指導の末、OKが出ました。
 次はシベリア柳生衆の場面。打ち入りの時はちょっとコワ~い雰囲気だったシベリア柳生のお兄さん達(だってだって大きい男性が5人もいるんですよっ。迫力ありすぎ)、なのにマイク前に立つと、お・・お・・面白いでヤンス~~!!
もうとにかく台詞のリズムがいい!キャラもそれぞれ立っていて。っていうか皆さん殆どアフレコ初めてなのにそのリラックスは何っ。そんな迫力かつファンキーなシベリア柳生の紅一点(!?)しずくん登場。「只今入ったにニュースでござるっ」。このしずくんというキャラ、最初は「しずく」という名前だったので、コザルは御影さんみたいに美しい「くのいち」を想像していました。打ち入りでキャラ表見てあまりのインパクトに吹き出しちゃったよぅ。しかも、なに?CGなの?これだけ!?オイシすぎるぞしずくん!またこの声がめっちゃキューティクルなんスよ。しずくんの秘密はエンディングにもありますからどうぞ皆様、次回からもお見逃しなく!
 いやいやながらも意気揚々「つがる」に乗って「首都圏に参らんっ」の柳生衆。首都圏って。大地監督いわく「東京じゃないくせにギリギリ東京に近いというプライドを保とうとする本剣越市を表してみた。」ははっ(笑)なるほど!(あっ実在の市町村と関係はないですよ。)
 そして鉄道に乗っている柳生衆を傍らに、ついに菜ノ花親子の登場シーン。
菜ノ花家の朝は、彩パパが自由におねだりされた「ほんわか恋愛小説」執筆の悶絶から始まります。相手役の藤原さんがいないのにも関わらず生き生きとした愛らしい娘を演じる堀江さんはさすが!!テストも本番もさらっとこなし、堀江さんは早くも自由のキャラクターを自分のものにしています。ひとことだけ、竹薮で自由が鯉之介笛を取り出す場面「あれから・・・初めて出してみた・・・」の台詞を録り直します。
「そんなに感慨を込めずに。」「ふと思い出したけれども、どこかで他人事っぽく(十兵衛に変身した過去に)向き合わない感じで。」と音響監督。「自由のキャラはスキだらけでゆるく中途半端で軽い感じ。初めて遭遇する出来事に気持ちが言葉にすぐについていくタイプではない。だから自由の気持ちより前にいかないで。」そんな頭がグルグルしそうなアドバイスを真摯に受けとめて言葉にのせていく堀江さん。ようやく「ポツンと呟く」演技でOKが出ました。

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 ところで、菜ノ花家の朝の会話のバックに流れていたラジオ、気づいた方いらっしゃいますか?あれこそ知る人ぞ知る『大地ラヂオ』!大地丙太郎監督と齋藤彩夏ちゃんの夢のハイテンション_コンビが、ここ『十兵衛ちゃん2』にて再結成されたんです。
あれは録音ではなくこの日の休憩時間にあらためて録ったモノ。「俺大地丙太郎、アニメ監督4_歳!」「わたし齋藤彩夏、中学3年生!」で始まり「地球温暖化」をテーマに話が弾みます。「彩夏ちゃん、地球温暖化ってどう思う?」「うーん、彩夏は夏とか結構あったかいの好きですから、地球温暖化わりと好きですね。」とか「紫外線には__や___の有害物質が含まれ・・・」と読み上げる監督に「___って何ですか?」と彩夏ちゃん、「・・・・なんだろうね。」と監督。「調べとけよっ」とツッコむたなか氏、などの珍問答満載でおかしかったですよ~。聞こえにくく音声が合成されていますが、興味のある方、どうぞ根気よおく聞いてみてくださいね。とても楽しいですヨ!

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さて、学校までに謎の山猿小僧を振り切った自由。そこに登場するは・・・キャーこちらも久し振りですよぉっ「転校生ラヴリーズ」ゥゥゥ~!!少し大人っぽくなったまろとさっちんです__まろ相変わらず元気だあ!さっちん相変わらずだああ!!
 そんなさっちんが「柳生フリーシャちゃんですっ」と紹介するキャピキャピの暁茶々(あかつき・ちゃちゃ)先生も演じてたりするから面白いんだな。ってその名前わっ(笑)
そしてそしてぇ、ついに成長した柳生フリーシャの登場デスッ!!大将じゃなくても「好きだあーーっ!」と叫びたくなる程、激可愛いですネ---
 めでたくフリーシャも転校生ラヴリーズの一員となり、祝福の抱擁を受けるシーン。まろがテキパキしてイイ味出してます。さっちんがむぎゅーむぎゅーと言っているのに、コザルには何度聞いても「和牛、和牛」と聞こえました。ああ、とうとう耳にまできたでヤンス。
 自由とフリーシャの下校シーン。恵里奈ちゃんは、フリーシャの「ロシア語訛り日本語」にちょっと苦労していたみたい。「イケてるあんみつ屋」とかね。確かにシベリアには、ナイ。しかしフリーシャ、その割には「天下制覇」なんて難しい日本語よく知ってるねェ。

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 お次は松山鷹志さんの演じる石橋漣達先生、うわォ!なんたる百戦錬磨!「わしは今、電話の前で頭を下げておる!!」泣かせるなぁ。こんなに人相悪いのに(キャラがですよ)たっぷりと聞かせる声、こりゃもう彩パパは首を縦に振るしかなくなってしまいますよネ。ずっるいなぁ~松山さん。もお、アハハハハ・・ハハ・・・・えっ・・・・何・・・!?
 突如盛り上がっている現場に緊張が走る。「・・・・・来ましたか。」「・・・・はい(ゴクリ)」
監督をはじめスタッフの方々が俄かに落ち着きをなくしはじめた。
え、まさか・・・ついに、ついに、「あの方」がいらしゃったのですか・・・!
・・・・・・・・・・それは「登場」というよりも「降臨」と呼ぶに相応しい瞬間であった。
現場の空気を一瞬にして変えてしまったその方の名は・・・・・・RIKI TAKEUCHI!!!!
 そう、柳生十兵衛の宿敵、喜多烈斎役を演じていただく竹内力氏が、今まさにスタジオに到着されたのでした。ガチッと固めた男らしいヘアスタイル、全身黒く光るコートを纏い、颯爽と入って来た竹内さんを前に、緊張は最高潮!!
「竹内さんは緊張している俺達を前にして「ヨロシクお願いします。なんせ初めてなもんですから~!」と叫んだ第一声がもうめちゃくちゃカッコ良かったですね。とにかく一人一人の目をバチっと捉えて離さないんですよね。もう目にやられてしまうというか。」と語る大地監督は、すでに力さんの目力にやられてしまいもうメロメロ状態。
 そんなリキリキオーラに占拠されたスタジオで、喜多烈斎単独ARがスタートしました!
この時、録音室に入っているのは、力さんと音響監督たなかさん、力さんの御友人の松山鷹志さんのみで、声優陣は監督やスタッフさんのいる調整室に詰め掛けます。もうぎゅうぎゅうのすし詰め状態、それでも何とか力さんの演技を見ようと(聞こうと)モニターの前でひしめき合い座る先輩達。そんな張りつめた空気を貫くがごとく喜多烈斎の第一声が轟く!
「見下げ果てたぞっ江戸柳生!!」
うわぁあぁあぁあぁん!!喜多烈斎の咆哮に周りの空気全体が震動し、まさに凍りついた平原にいるような錯覚に陥りました。声優陣もスタッフ陣も唖然。
「・・・いい、ですねぇ」と我にかえる大地監督。「いやマジ、すごいっすよ。」と口々にスタッフさん達。「どんな風にやったらいいですか。」という竹内さんに対し「あ、もう本当にそのまんまでお願いします。」と念を押す監督「もう何も言うことありません」。それでも画面を見ながら口のタイミングに合わせることが初体験の力さんは悪戦苦闘。「早ぇなチクショウ!」(「かくも」という台詞でつっかかる時は)「かくもかくもかくもかくもかくもかくもかくもォッ」「あと10回くらいお願いします。」「何回もやりましょう、納得するまで。」と気合い十分!途中、熱くなるあまり着ていた革ジャンをぶぁさっと脱ぎ捨てた力さんの姿が目に焼き付いて離れない監督は「俺もつられて脱いじゃった」そう(でも誰も見てなくてちょっと寂しかったらしい。ゴメンナサイ)。
 竹内さんの台詞回しや息づかいはどれも素晴らしく「うわっ、これどれもいいよ。全部使いたい。」「これもいいなあ・・・あ、これもまたいいなあ」「っていうか普通に喋っているだけでカッコイイんですよ。」と調整室では大熱狂の渦。混み合っているのでモニターが見えない位置に座っていた堀江さん。じっと目を閉じて耳に手を当て、力さんの演技を聴こうとしていらっしゃる真剣な姿がとても印象的でした。タイミングを掴んだら「ずっと叫びっぱなしですが大丈夫ですか。」とさらに喜多烈斎の演技を深めようとされる力さんに「いや、もう大丈夫以上ですよ」と本音を伝えるスタッフ。音響監督が「この場面では体の向きを無理矢理変えているので、その一瞬の気合いみたいなものをもう少し。」とアドバイスをすると、すかさずその通りに演じられていました。

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 シベリアにまで追いやられた一族の深い怨みを晴らすための危機迫る死闘。その果てに敗れ去る喜多烈斎の「十兵衛えーー!!」という叫びには、無念きわまる断末魔の様子がくっきりと表れていたのではないでしょうか。
スピーディーな場面にも関わらず、シベリア柳生の魂のほとばしりを見事に演じ切ってくださいました。
 「いやぁ、もうプロにお任せしときますわ」と言いながらドアを開けた力さんに、コザル図々しくも直撃インタビュウさせていただきました。「いや~久し振りにいじめられましたよ。いつもいじめる方ですけど。あ、いじめっ子をいじめてるんですけど(笑)」と笑顔の力さん。
「『十兵衛ちゃん2』のお話を初めてお聞きになった時、どう思われましたか。」とお尋ねしたところ、「いや実は、丁度機会があったら何か他のコトもやりたいと思っていたところなんですよ。今まで映像の役者しかやっていないんで。かといってバラエティー番組やトークもちょっと違うなと。そこにタイミングよくこのお話が来たんですよ。面白そうだなと思って引き受けましたね。」と嬉しいお答え。「いつも俺たちのいる現場とは全然違う雰囲気です。若い子、多いですね(笑)。」とか「喜多烈斎はもう少し、渋めのキャラかと思っていました。全然落ち着いてなかったですね。」「本当に難しかった。とにかく人生山ばっかりですね、修行してきます。」などと楽しそうにお話してくださいました。最後に「また、このようなアニメのお話があったら引き受けてくださいますか。」という質問には「もちろんです。次はもう少し落ち着いた役をやってみたいですね(笑)。」と意気込みを語ってくださいました!監督!!お聞きになりました!?来る時も、去る時もカッコ良い力さんに皆、心を奪われ、お名残惜しくお見送りをしました。お疲れであるにも関わらず、とても優しく快くお話してくださった力さん、本当にありがとうございました!とっても素敵な方でドキドキでヤンしたよ~。

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さてそんなこんなでRIKI旋風は色々な効果を及ぼしましたが、中でもそれを真っ向から受けたのが約2名。ひとりは大地監督、は今日はおいといて(スミマセン)もう一人は喜多烈斎の息子役、喜多歩郎を演じる前田剛さんです。
 前田さんは次のシーンから自由に絡んでいくのですが、その台詞回しが先程より格段に、劇的にカッコ良くなっているのです。力さんの父・喜多烈斎の魂があたかも乗り移ったかのように、前田さん吠えまくっていますよ~。しかし喜多ってカッコ良いのか悪いのか、強いのか弱いのか、頭いいのか悪いのか(あ、これ明白?)色々な顔を持ってますね、さすが個性集団シベリア柳生のヘッド、よっ大陸一。
 そしていよいよお待ちかねシーンの到来です。喜多歩郎に追いつめられた自由が、「こいのすけ小屋」につまずいたその瞬間、謎の子供が飛び込んで来て、自由の意志とは関係なくラブリー眼帯をつけてしまいます。
柳生十兵衛に変身する自由!!ここの画も最高にカッコイイですよ~!スタッフさん達が何度も手を入れ直したというだけあって素晴らしい仕上がりです。じっくりご覧ください。
親子二代の宿敵にめぐり会いほくそ笑む喜多!いざ、尋常に勝負ゥゥゥーっ!・・・
しか~し
「~そうさ、俺達三百年、待ちに待ったよ三百年~」って。って。その名もN-HOP(North Hop)という軽快なラップと共に、明らかに邪魔に入るシベリア柳生衆!嫌~ん、何て間の悪い方々。おかげで十兵衛ちゃんに蹴散らされるシベリア一味。ああ、せっかく喜多、張り切ってたのにねえ・・・。
 ところでこの場面で「グラサン斬られちゃったよ~」とぼやくシベリア柳生Aの声は、ラブライブという事務所のマネージャーさん。こんな感じで、『2』の声優は意外な人がどんどん出て来ます。もうこれホンっト楽しみにしていてくださいね~_・・・ふっふっふ。
N-HOPはその場にいた声優ほぼ全員で大合唱。『2』では『1』に負けず劣らず変な歌が来週以降も続々登場しますからね。こちらも要チェックですよ~。

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 いよいよ第1話の大詰め、シベリア柳生の後に、突如として姿を現わし自由十兵衛に刃を向けた謎の美剣士のセリフ、「我こそは真の二代目柳生十兵衛、そのラブリー眼帯を渡せ、偽者」。
いわば『2』のプロローグのキモになるこの重要な一言を中山恵里奈ちゃんが演じます。当然、このラストシーンにはスタッフの方々の思い入れがあり、演技指導にも熱が入ります。「声を張り上げない。」「淡々としたセリフ回しに殺気を込めて。」「顎を引いて語尾をきちんと収めてごらん、キリッとした感じが出るよ。」「偽者というフレーズに恨みを込めて。これが言いたかったんだよという感じで。」「言い方は技術として、そこに心を乗っけていってごらん。」何度も何度もテイクが重なり、恵里奈ちゃんの不安、緊張、焦り、もどかしさなどが伝わってきました。それでも彼女は、真剣な眼差しで画面を見据え、この一言を繰り返し続けていました。最終的にOKが出たのはそれからだいぶんたってから。17時から始まったARの最後の山でした。
 恵里奈ちゃん、最後まで本当によく頑張ってらっしゃいました。お疲れさまです。他の先輩方、スタッフの皆様もお疲れさまでした。そして竹内力さんもお疲れさまでございました。素晴らしい演技を見せてくださり本当に有り難うございました!
 それにしても何て密度の濃い初日!30分のアニメを録音するだけで、6時間弱。その間に実に数々のドラマがありましたよォ。ふひーっ、凄かったでヤンス~。
 ここまで色んなことはそうそう起こらないだろうと思っているそこの貴方。チッチッ甘いですぜ。そう、これらの出来事さえ序章に過ぎなかったと思うほど、今後も『十兵衛ちゃん2』にはとんでもないことが起こり続け、今に至っているでヤンスよ。
 そんな奇跡を一緒に体験したいと思う方は、是非来週も観てくださいね。コザルもそんな熱い現場の様子をなるべく皆さんにレポート出来るよう頑張るでヤンス~!
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました-!

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(C)大地丙太郎・マッドハウス/j2製作委員会