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小猿日記
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#9「いつか交えた剣だった」複線AR

「いつかマジにはなるのかな」

 9話の練習用ビデオを家で観つつ、コザルは思った。 「何か、今日バンカラトリオ可愛くない?」
 本線録りの時にはあまり気付なかったのだがなんか無邪気な表情でかわいいのだ。 ビデオはたいてい線画であり、絵コンテを撮影している。 今日の絵コンテはどなたが担当されていたっけー・・・ふむふむ、あっ何と佐藤竜雄氏です。 佐藤氏は『宇宙のステルヴィア』などの監督。 スタジオに着いてちなみさんに早速お話。 「今日、なんかかわいくないでヤンスか、俺達。」 「うん、だって佐藤さんだもんね。」
 ちなみに佐藤氏は第1シリーズでは3話も手掛けられています。 こんなにかわいく描いてくださって有難うございました! 出来上がりの画も楽しみ♪

 さて本日のARもなかなか珍豪ムチャ兵衛でヤンした。 何がって歌でヤンス、歌!
 「俺達陽気なバンカラトリオー」 この曲、まだどんなものか知らされていなかった。
 スタジオに到着し、かずやさんに聞く。 「今日のこのメロディーどんなもんでげしょ。」 「あ、考えてない!」 やっぱりーーー。 しかーし、ここまでは予想済み。 こ、こんなことで慌てるまろじゃないぞよ。
 「えっとねーかしまし娘の曲っぽく。」と長濱氏とかずやさん。 「かしまし娘って何ですか。」と聞くちなみさん。 うんうんコザルも知らない。 そんなちなみさんに二人は「またまたー知らないわけないじゃん。」と突っ込み。 「え、それってこういう歌ですか?ー♪(歌う)」 「ちがうよっ、そりゃカンカン娘だよっ!ていうかそっちの方が古いじゃん!」 「何でそれ知っててかしまし娘知らないんですか。」 とロビーにて盛り上がる四人。
 第1シリーズでNHKの某アニメに出てくる子鬼のトリオで似たような歌ありましたよね。 それはどうですか。 えっと幸いそのアニメのメンバー、バンカラトリオの中にもおりますし・・・。
 「・・・それでいこう。」とかずやさん。 ホントでヤンスかっ。

 ブースに入ると、「監督の葛藤が書いてあります。」と予告ナレーションが書いてある紙をいただく。 読んだ瞬間吹き出すコザル。 「あはは、何じゃこりゃあ。」
 そこには「進路を見失い迷い道をゆく自由・・・・誰よりも道に迷っているのはこの作品の脚本家であった。 果して先を考えているのだろうか。 とりあえず次回『十兵衛ちゃん2』『あの日のワタシに戻ってた』御期待ください。」 と書かれていた。と、とりあえずてー(笑)

 ちょうどそこに大地監督出現。 「監督、今日のコメントも読んでて苦しいです。」 「あはは、もう普通のじゃつまんなくなっちゃった。ほら6話のコメントみたいにしたくて」 ああ、あれも辛かった。 まだ覚えてるさ。 何が辛いッて詳しくは6話本線AR日記を読んで・・・って監督がいつのまにかブースのソファにゴロゴロ転がっとる。 めっちゃお疲れモードですぅ。 そこはベッドじゃありませんよー。 何かアザラシみたいです。 そんなお疲れもようの監督がやっとこ調整室に戻り、今日のアフレコが始まります。

 「おはざるーこはざるーお番太郎ー♪」歌が始まる。 言われた通りにメロディーを口ずさむバンカラトリオ、「あ・・・合ってない」もうバラバラのめちゃくちゃ。 そしてそこに四郎が加わるものだから事態はさらに深刻に。 そんなバラバラの四郎withバンカラJAPANの大惨事に調整室からはもう爆笑の渦、ひょえええー何でこんなに合わないんだア。あ、カルテットがトリオになってる。「あっ」と気付くスタッフさん達。しかし「このままでいきましょう」とたなかかずやさん。あははは、常にメンバーが不安定なバンドみたいでヤンス。ていうかウチら仲悪そーでヤンス!

 テストが終わってしばし当惑。「いやはやかみますなあ。」「かみまくりですなあ。」大猿兄貴と目を合わせつつ、メロディーの確認。
 本番、「七人の侍にはかなわないけどねー♪」これ、ソロで録る。ちょっと恥ずかしい。
 ウクレレマジックで素晴らしい曲に仕上がっていることを切に祈りつつ。

 ナレーションを録る。 結局「果して先を考えているのだろうか。」の一文はカット。 尺が合わないからではなく、本当は考えているんでしょ監督。 えっ、何故目を背けるのですかっ?
 お疲れさまー。 とドアを開けた瞬間藤原啓治さんが入ってくる。 ふぉぉぉ、今日もパパ忙しそうですね。 そうそうゴーストライターのパパの気持ちも代弁するようなナレーションでしたね今日は。 頑張ってくださいね、パーパ。

 帰りにいただいた11話の台本を取り出してみる。 紫色の表紙にギラっとこちらを睨み付けているフリーシャ十兵衛、その左眼は影が落ちている。 素晴らしい陰影と迫力に恐れおののくコザル。 き、今日の台本の表紙も気合い入っていますねえ。 「最終回までこの感じでいくそうですよ。」マジですか。 本当にかっこいいですよ。 機会がありましたら皆さんに公開したいです。 この馬越氏力作の表紙。

 というわけで今日はちょっと短いけれど、最後まで読んでくださってありがとうございました。 いよいよ残り話数も少なくなってきましたが、この熱気を皆さんに届けるために頑張ってレポートしていきます。 どうぞよろしくお願いいたします。
 それではみなさまおやすみなしろー♪

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あとがき            
(C)大地丙太郎・マッドハウス/j2製作委員会